欧米為替見通し:黒田マジック、“double”の誤解?

2014年2月18日 17:09

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:09JST 欧米為替見通し:黒田マジック、“double”の誤解?

本日18日の欧米市場のドル・円は、日本銀行金融政策決定会合での成長基盤融資強化を受けて下げ渋る展開が予想されるものの、22-23日のG-20財務相・中央銀行総裁会議への警戒感から上値は限定的と予想される。

成長基盤融資は、在日外銀による本店向け貸し出しを通じて、投機筋の「円・キャリートレード」の原資となりえるもので、3.5兆円から7.0兆円へ倍増(double)された。

しかしながら、ドル・円が102円75銭まで上昇した要因として、アルゴリズム取引が黒田日銀総裁のキーワードでもある「double」に過剰反応(資産購入額の倍増?)したとの指摘もあることで、欧米市場にかけて要警戒となる。

オバマ米政権が安倍政権の円安誘導を黙認してきた背景には、経済的には、環太平洋経済連携協定(TPP)、政治的には、極東での戦略的防衛があると思われる。しかしながら、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は難航しており、安倍首相は、オバマ米政権が失望する行動をとったことで、ペナルティー的な円安牽制発言が続いている。

1月16日、ルー米財務長官は、「日本は為替に過度に依存すれば長期的な成長はない。日本の為替政策を注視し続ける」と警告した。2月17日、米当局者は、「一部の国が輸出を利用して成長を促進するという危機前の戦略に戻りつつある」と警告した。

ダボス会議以降、ジョージ・ソロス氏などのヘッジファンド勢は、安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いを進めており、22-23日のG-20財務相・中央銀行総裁会議での円安牽制に警戒する展開となる。

【今日の欧米市場の予定】

18:00 ユーロ圏・12月経常収支(11月:+274億ユーロ)
18:30 英・1月消費者物価指数(前年比予想:+2.0%、12月:+2.0%)
18:30 英・1月小売物価指数(前年比予想:+2.7%、12月:+2.7%)
18:30 英・1月生産者物価指数・産出(前年比予想:+0.7%、12月:+1.0%)
19:00 独・2月ZEW調査・景気期待指数(予想:61.5、1月:61.7)
21:00 トルコ中銀、政策金利発表
22:30 米・2月NY連銀製造業景気指数(予想:9.00、1月:12.51)
23:00 米・12月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く)(11月:-293億ドル)
24:00 米・2月NAHB住宅市場指数(予想:56、1月:56)《KO》

関連記事