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17日発表された日本の10~12月GDPは、前期比0.3%(年率1.0%)増で、4四半期連続の成長となった。しかしブルームバーグの調査によると、37エコノミストの予想中央値は2.8%、一番低い予想でも1.1%であったため、各紙は「期待外れ」と報じた。アメリカは3.2%の成長であり、金融危機脱出にもがくヨーロッパの1.1%にも負けている。
なお発表を受けて円は0.3%上がり、東証株価指数は0.5%下がったが、それほど大きな値動きではなかった。
【駆け込み内需で貿易赤字を何とか補填】
GDPが伸び悩んだ主因は貿易赤字で、輸出0.4%増に対し、輸入が3.5%増であった。内需は個人消費が0.5%増、企業の設備投資1.3%増、住宅投資4.2%増などとなったが、個人消費は0.7%増を期待されていたのであり、好調とまでは言えない。しかもこれは4月の消費税増税を前にした駆け込み需要であって、増税実施後は急落が予想されると各紙は指摘する。政府支出も増加したが、これもペースは鈍っている。
輸入の増加については、円安傾向や原発停止によるエネルギー輸入増が指摘されるが、円安にも関わらず輸出が低迷するのはなぜか。しかもトヨタ自動車や本田技研工業などは今年度、過去最高の業績を予想している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材した専門家は、そうした輸出業者の生産拠点が海外に移っているため、日本で購入される製品であっても輸入品になることを指摘する。「円安にもかかわらず、日本のメーカーは戻って来ようとしません」とのことだ。
【指導力問われる安倍政権】
同紙は、業績好調な企業が賃金や投資を増やすため、消費税増税で一時的に需要が冷え込んだとしてもボーナス期には回復する、という楽観派の専門家もいると報じている。日銀も設備投資や輸出の回復を楽観視しており、ブルームバーグ調査のエコノミスト34人は全員、現在行われている政策会議で政策は据え置かれると予想する。ただし25人は、9月までには追加緩和が起こると見ている。
しかしインフレ傾向にもかかわらず、残業代とボーナスを除外したベース賃金は、12月には19ヶ月連続の下落となっている。ブルームバーグによれば1月の需要は、安倍政権発足以来の最低水準に落ちたという。ウォール紙の取材した東京のデパート買い物客は、「夏冬のボーナスは5年ぶりにほんのちょびっと上がりましたけど、また下がるんじゃないかと心配で、使わないようにしているんですよ」と語った。安倍首相は春闘に向けて、ボーナスなど臨時支給ではなく、基本給のアップを呼びかけ続けている。
各紙は「アベノミクス第3の矢」たる構造改革の具体的実現が進まなければ、安倍政権が本当に経済を安定させられるのか、いよいよ信頼が揺らぐと懸念する。
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