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外資系ラグジュアリーホテルが京都進出 五感を刺激する仕掛けとは
2月7日、京都二条の鴨川沿いにオープンする外資系ホテル「ザ・リッツ・カールトン京都」。和と洋を融合した荘厳な空間と最上級のもてなしで、国際観光都市京都に進出する。[写真拡大]
昨今、外資系高級ホテルの進出が目覚しい。2014年はとくに、関西圏で外資系高級ホテルの開業ラッシュを迎える。
まず一軒目は、大阪阿倍野区にそびえ立つ地上300メートルの日本一の超高層ビル、あべのハルカス内に、3月の全面開業に合わせてオープンする「大阪マリオット都ホテル」。こちらは、世界的な高級ホテルチェーン・マリオットと、近鉄ホテルシステムズが展開する都ホテルのダブルブランドを冠することでも話題になっている。
大阪市内ではすでに「インターコンチネンタルホテル大阪」や「セントレジスホテル大阪」「ザ・リッツ・カールトン大阪」が開業しており激戦区ではあるものの、阿倍野地区近辺には外資系高級ホテルはなく、関西空港との利便性の良さや、何といっても話題のあべのハルカス内という立地、日本最高層の眺望で独自性を打ち出していく。
そしてもう一軒は、2月7日の開業を目前に控えた「ザ・リッツ・カールトン京都」だ。京都二条の鴨川のほとりに佇む、落ち着いた外観の地上5階、地下2階建の建物で、客室数は134室。「ザ・リッツ・カールトン大阪」が全292室であることと比べると、客室数としては控え目ではあるものの、客室の平均面積は50平方メートルと、最上ランクのゆったりとしたラグジュアリー空間を確保している。また、9タイプ全17室用意されたスイートルームの中には、東山三十六峰と、五山送り火で知られる大文字を正面に望む月見台を備えた「スイートTUKIMI」など、京都の借景を活かし、京都ならではの趣向を凝らした贅沢な演出が面白い。
「ザ・リッツ・カールトン東京」のホテルマネージャー及び「ザ・リッツ・カールトン大阪」の総支配人代行、さらには米国と日本の「フォーシーズンズ・アンド・リゾート」と「ザ・ペニンシュラホテル」のマネージャーなどを歴任し、ホテリエとして豊富な知識と経験を持つ田中雄司氏が総支配人に就任し、去る1月24日には報道陣に招いて館内が公開された。田中総支配人は集まった報道陣を前に「五感を刺激する仕掛けを施し、高い客室単価でも充分に満足してもらえるサービスを提供していく」と意気込みを語った。
同ホテルの立地は、もともと京都の人々や著名人に馴染み深い「ホテルフジタ京都」があった場所。2006年、経営母体であった藤田観光が「ホテルフジタ京都」の土地・建物を積水ハウスに売却し、その後も「ホテルフジタ京都」として営業を続けていたが、2011年に営業を終了した。この地は古くから邸宅地としての歴史もあり、祇園や河原町にも程近く、観光にもビジネスにも最適な利便性を備えており、何よりもホテルに適した土地の少ない京都市内ではなかなか望めない好条件だ。ここに事業主体である積水ハウスが新たな建物を再開発して、リッツ・カールトンに運営を託し、「ザ・リッツ・カールトン京都」がオープンする運びとなった。
外資系のホテルといえば、最先端の都市型ホテルをイメージしがちだが、こちらのホテルは、和のテイストと最先端の建築技術が融合した、まさに現代の国際観光都市・京都にふさわしい雰囲気を醸し出している。灯籠や庭石、滝石など、旧ホテルフジタ京都の趣のある素材を随所に活かして、庭園を設えたり、ホテル内のいたるところには「源氏物語」をコンセプトに制作された、80人のアーティストによる394のアート作品が展開されている。
中でも圧巻は、イタリアンレストラン「ラ・ロカンダ」の中央部に突如現れる、書院造の和の座敷空間「夷川邸」だ。これは、関西を代表する明治期の実業家で、一代で藤田財閥を築き上げた藤田傳三郎男爵の京都別邸を移築したもの。明治のモダン溢れる空間で、最高級のイタリア料理が楽しめるとは、なんと贅沢なことか。これも、田中総支配人のいう「五感を刺激する仕掛け」の一つだろう。
京都では、2015年に「フォーシーズンズホテル」の京都進出も、東山区に予定されているが、いずれも、日本人観光客に加え、欧米や東南アジアなどからの富裕層もターゲットになっている。震災で遠のいていた海外からの旅行者も戻りつつあり、今後、2020年の東京オリンピックで外国人観光客の増加も見込まれる中、京都や関西経済の発展にも寄与していくのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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