未分化がん細胞は容易に正常/良性細胞に変換できることが発見される

2014年1月27日 19:34

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 鳥取大学の研究グループが、未分化がん細胞を正常な細胞や良性のがん細胞に容易に変化させられることを発見したという(プレスリリース)。

 未分化がん細胞とは、まだ特定の器官に分化する前の細胞ががん化したもので、細胞分裂のスピードが速く悪性度が高いがんだと言われている(がんと分化度)。鳥取大学の発表によると、

 自身がクローニングしたRNA遺伝子の機能解析に従事している際、この遺伝子に関連して発現変動する単一のマイクロRNAを悪性度の高い未分化癌に導入すると、容易に悪性度を喪失させることができ、正常幹細胞へ形質転換できることを、世界で初めて発見した。

 とのこと。研究グループでは未分化のヒトがん細胞について、その遺伝子の解析を行っていたそうだ。その過程で、「miR-520d」というヒトマイクロRNAを未分化の肝がん細胞の中に導入したところ、奇形腫や正常肝臓組織を形成したり、腫瘍をまったく形成しないということが確認されたという。この手法を応用することで、がんを根絶できる有効な手段になる可能性があるそうだ。

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