ダイナムJH Research Memo(8):業界の縮小が続くも店舗増によるシェア拡大で自社成長を実現

2014年1月10日 10:27

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記事提供元:フィスコ


*10:27JST ダイナムJH Research Memo(8):業界の縮小が続くも店舗増によるシェア拡大で自社成長を実現

■業績の動向

○今後の業績の考え方と見るべきポイント

前述のように、業界全体としてはパイの縮小が続くなか、ダイナムジャパンホールディングス<HK06889>のパチンコホール事業を担っているダイナムは店舗増によるシェア拡大で自社の成長を実現する戦略だ。したがって、出店ペースがまず見るべきポイントになろう。

次に既存店舗での増収策と経費節減策も重要なポイントだ。増収については、これからの主力業態であるゆったり館での増収策がカギとなる。同業態は低貸玉営業であるため、「粗利益率」は既存店(「ダイナム」ブランド)に比較して良いものの、収入の絶対額では明らかに低下する。これは高貸玉機が1玉4円であるのに対して、低貸玉機の主力が現状は1円となって4分の1となっているためだ。しかしここにきて、1玉2円の低貸玉機への需要が伸びている。今後の2円機の需要動向に要注目だ。

経費節減面では、前述のPB機の導入に加えて、「パーソナルシステム」の導入状況に注目するべきであろう。パーソナルシステムとは、顧客が店舗内で台を移動する際に玉の持ち運びを不要にするシステムである。これを導入すると、店舗の風景としては出玉の入った箱が通路に山積みされることがなくなり、一方で、客の出玉を管理する手間暇が削減できるため、店舗スタッフの人数を減らすことが可能になる。システム導入の初期費用が約50百万円と高額であるが、今上期までの累計導入実績は221店舗に達している。人件費削減効果が絶大なため、今後も積極的な導入が続くものと思われる。

このように、出店動向はもちろんであるが、低貸玉営業の強化、PBパチンコ機の導入、パーソナルシステム導入など、注目点が多い。それだけ自助努力による業績改善余地が大きいとも言え、業界全体の傾向から離れて、同社独自の成長シナリオを描くことは十分可能であろう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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