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岐路に立つ韓国:ウォン高、サムスン電子の業績下振れ、利下げ、構造改革・・・
*09:18JST 岐路に立つ韓国:ウォン高、サムスン電子の業績下振れ、利下げ、構造改革・・・
韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は6日開いた新年の記者会見で、急速に進むウォン高・円安に対する警戒感をあらわにし、国内輸出企業にコスト削減や構造改革を通じた競争力強化を呼びかけました。
日本企業と競合分野が多い韓国にとって、円安は大きな逆風になります。前週にはウォン・円相場が約5年ぶりの高値を付けましたが、株式相場では韓国の代表的企業であるサムスン電子の株価がこの1週間だけで7.2%急落しました。
きょう7日発表された同社の10-12月期決算では、営業利益が8兆3000億ウォン(約8100億円)となり、市場予想(ブルームバーグ)の10兆ウォンを下振れ。売上高は59兆ウォンで、こちらも予想の61兆5000億ウォンに届きませんでした。
ちなみに、サムスン電子については、世界的にテクノロジー業界の成長が頭打ちになっていることも頭痛の種です。全米家電協会(CEA)によると、2014年のテクノロジー製品は成長率が前年比1%減少するとのこと。スマートホン(スマホ)に代わる技術革新が進まない中、新興国市場での市場拡大ペースが鈍っていることが背景になるようです。
話を為替に戻しますと、年初には韓国銀行(中央銀行)の金仲秀(キム・ジュンス)総裁と企画財政部の玄オ錫(ヒョン・オソク)長官が行き過ぎたウォン高を抑制するためにそろって「口先介入」を実施しました。
韓国では企画財政部が通貨政策を立案し、韓国銀行がこれを実行しますが、為替政策に携わる両機関のトップがウォン高への警戒感をあらわにしたことが投資家の介入警戒感を強め、今週のウォン相場では買い機運が一時的に削がれる場面もありました。
こうした状況下、韓国銀行は今週9日に金融政策決定会合を開きます。ここは政策金利が年2.50%に据え置かれるというのが市場のコンセンサス予想になっていますが、ウォン高抑制を狙った予想外の利下げもささやかれています。
さて、朴大統領は記者会見で、過度に輸出に頼りすぎた経済構造の転換も訴えかけました。大統領は経済発展3カ年計画でサービス産業の底上げや借金体質の国営企業改革などを提唱。これにより向こう3年での潜在成長率は3.5%から4.0%に押し上げられ、1人当たり所得が2万4000米ドルから4万米ドルに引き上げられると強調しています。
(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》
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