デリカフーズ Research Memo(4):東京第二FSセンターの稼働で生産能力は約17%増強

2014年1月6日 18:39

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記事提供元:フィスコ


*18:39JST デリカフーズ Research Memo(4):東京第二FSセンターの稼働で生産能力は約17%増強

■東京第二FSセンターについて

デリカフーズ<3392>は2013年7月に東京・足立区に東京第二FSセンターを竣工、稼働を開始した。総投資額は1,800百万円(土地600百万円、建物1,000百万円、機械装置200百万円)となる。同センターは2010年6月に開設した東京FSセンターの隣接地に建てられたもので、年間の生産能力は約4,000百万円の規模となり、既にフル稼働状態となっている東京FSセンターと合わせれば年間約10,000百万円の能力が整うことになる。また、同センターの稼働により、生産能力は約17%増強される。同社では2年後に100%稼働を目標としているが、足元の状況は極めて順調で、繁忙期にあたる年末年始の稼働率は70%超となる見通しで、フル稼働時期は前倒しされそうな勢いだ。

ちなみに、FSセンターのFSは、「新鮮(Fresh)な食材を、新鮮なままより早く(Speedy)顧客に届ける」というスローガンのなかのFreshとSpeedyの頭文字2つを組み合わせて名付けられたものである。

東京第二FSセンターで機能強化された主な点は表の通りで、なかでもセンター入庫から出庫までを徹底した温度管理(全工程1~4℃)でスーパーコールドチェーン化したことが注目されよう。FSセンターでは5℃管理による完全コールドチェーン化を実現したが、今回はさらに一歩進化した格好となる。スーパーコールドチェーンは米国で普及し始めた最新の流通管理手法のことで、生鮮食品の鮮度をより長く保たせるための管理手法となる。国内では同社が初めてスーパーコールドチェーン化を実現したことになる。これだけでも鮮度の保持期間は伸びるが、同社ではさらに異物除去機能を強化した自動化ラインの導入で、カット野菜の菌数制御を大幅に向上し、一段の鮮度保持を実現し、カット野菜製造後の菌数の繁殖度合いを大幅に低減することに成功している。同社は、食品衛生試験の結果に基づいて、東京第二FSセンターで製造したカット野菜の賞味期限を従来から2倍に延長し、製造後4日とした。顧客企業にとって賞味期限が長くなることによるメリットは大きく、同センターにおける受注が想定以上に好調に推移している要因となっている。

また、野菜の熟度コントロールを追求するため、トマト等の熟度管理が必要な野菜に対して新たに加温室を用意した。野菜残渣の完全リサイクルについては、2014年3月期中に実現する予定だ。東京第二FSセンター稼働に伴い、併設するリサイクルセンターで一部稼働を開始している。FSセンターから排出される野菜残渣を、リサイクルセンターで完全堆肥化し、堆肥については契約農家に供給していく予定となっている。従来は年間で40百万円近いゴミ処理費用がかかっていたが、完全リサイクル化によって30%程度のコスト削減が見込まれている。災害時のバックアップ体制についても東日本大震災の経験を踏まえ、太陽光発電、蓄電池、発電機と揃え、完全バックアップ体制を構築している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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