関連記事
積水ハウス、景況感改善と消費増税前の駆け込み需要で過去最高益の好決算
2014年1月期第3四半期(2~10月期)決算を発表した積水ハウス。通期も大幅増収増益で着地するのは確実。[写真拡大]
積水ハウス<1928>は12月5日、2014年1月期第3四半期(2~10月期)決算を発表した。
売上高は1兆2580億円で前年同期比10.2%増、営業利益は804億円で56.3%増、経常利益は840億円で57.6%増、四半期純利益は508億円で89.6%増という増収増益決算。アベノミクスによる景況感の改善、2014年4月に迫った消費税の増税前の駆け込み需要による受注大幅増、住宅ローン減税の拡充などが追い風になり主力分野の戸建住宅、賃貸住宅は売上、受注とも好調で、2~10月期としては過去最高益を更新した。
請負型、ストック型、開発型の3つのビジネスモデルとも売上高は増加した。
「請負型ビジネス」の戸建住宅事業の売上高は12.6%増。都市部の狭い土地を有効に使える3、4階建て住宅や、家庭内の全てのエネルギー消費を太陽光発電などでまかなえる節電・防災型住宅「グリーンファースト ゼロ」が好調だった。賃貸住宅事業の売上高は18.2%増。2015年1月に実施される相続税の税率の引き上げを意識した土地オーナーからの受注が増えている。
「ストック型ビジネス」のリフォーム事業の売上高は10.5%増。省エネ改修を中心に提案型リフォームを強化して大型案件の比率が増えた。不動産フィー事業の売上高は3.8%増。入居率が0.2ポイント上昇して仲介手数料などのフィー収入が増加し、営業利益率も0.9ポイント向上している。
「開発型ビジネス」の分譲住宅事業の売上高は13.6%増。東北地区のスマートタウンの展開で震災復興にも貢献している。マンション事業の売上高は46.5%増。完成物件の引き渡しも新規販売物件の受注も好調だった。都市再開発事業の売上高は28.5%減。REITに62億円分の物件売却を行った。国際事業の売上高は11.0%減だが受注高は30.1%増で通期は64.1%の大幅増収を見込んでいる。
利益面では、継続的な収益体質の強化を図っているところへ増収効果が加わって売上高総利益率(粗利益率)が改善し、前年同期と比べると連結ベースで18.3%から19.6%へ1.3ポイントの増加。戸建住宅事業は22.8%から24.5%に、賃貸住宅事業は19.9%から20.8%にそれぞれ伸び、それが連結ベースの売上高営業利益率が1.9ポイントも大幅改善した原動力になっている。
2014年1月期の通期業績予想は、売上高1兆8150億円(前期比12.5%増)、営業利益1300億円(50.8%増)、経常利益1335億円(45.5%増)、当期純利益770億円(65.7%増)で変えていない。当期純利益は過去最高益だが、第3四半期の時点で進捗率は65.97%。通期配当予想は43円で据え置いた。第3四半期までの好業績を見れば、通期の予想通りの着地はまず確実とみていいだろう。(編集担当:寺尾淳)
■関連記事
・「超小型電気自動車」+「カーシェア」。コレが東京モーターショーでの日本メーカーのトレンド?
・モーターショー会場で、次世代スマートハウスを提案した3社合同ブース
・駆け込みが終了した住宅メーカーの今後
・積水ハウスが600億円を投じて、米国・賃貸住宅開発事業に乗り出す理由
・ゼロエネルギー住宅(ZEH)の未来
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク