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オンワード樫山「五大陸」がブランド刷新 片岡愛之助さんら歌舞伎俳優起用し大型キャンペーン
ブランドアンバサダー5人に花を贈る馬場昭典社長(左から3人目)
オンワード樫山(東京、馬場昭典社長)は紳士主力ブランド「五大陸」で、今秋冬から商品を全面刷新するとともに、片岡愛之助さんら人気歌舞伎俳優5人をブランドアンバサダーに起用した新広告キャンペーンを打ち出す。新成長戦略のもと、団塊ジュニアを中心とする40~50歳代男性の需要喚起をにらむ。きょう28日に行われた新成長戦略発表会には、馬場昭典社長とブランドアンバサダーを務める5人が出席。新戦略の概要や狙いなどについて説明した。
「五大陸」は1992年、“英国の伝統、フランスの華やぎ、イタリアの粋、アメリカの合理性”を“日本の繊細”によって仕立てた“東京発国際服”と銘打ちデビュー。同社の重点ブランドの1つとして、ブランド20周年を迎えた昨年から、素材やデザイン、シルエット、生産体制に至るまでMD(商品施策)を全面的に見直した。
約1年半を費やした新MDは、ブランドコンセプトに基づき、日本人ならではの繊細なものづくりや質へのこだわりを追求した品揃え。創業171年の歴史を持つ仏の老舗生地・ドーメル社の生地を使ったスーツや、京都西陣織のネクタイなどを主力アイテムとして打ち出す。価格帯は、主力のスーツが5万9,000~11万円。「あくまで質にこだわる戦略なので、自ずと単価が上がったアイテムもある」(馬場社長)という。
ブランドアンバサダーには、片岡愛之助さんをはじめ、尾上松也さん、中村歌昇さん、中村壱太郎さん、中村隼人さんら5人の新進歌舞伎俳優を起用した。“伝統を継承しながら新しいものを作り上げる”という歌舞伎界の姿勢とブランドコンセプトが合致したもので、きょう東京・銀座の歌舞伎座で行われた新戦略発表会には、アンバサダー5人がスリーピースやダブルなど5者それぞれのスーツスタイルを披露した。ドラマへの出演など活躍の場を広げている片岡愛之助さんは、「生地がとてもよく、まず着心地がとてもいいですね」とコメント。「伝統芸能に携わる者として、伝統を継承しながら新しいものにも挑戦している。この姿勢は「五大陸」のスーツとの共通点でもある。今回アンバサダーに起用して頂いたことをきっかけに、歌舞伎も五大陸も広めていきたい」と意気込みを語った。
片岡さんらが出演するテレビCMは、きょう28日から放映。雑誌や交通広告、店頭、ウェブなどを駆使した大型広告キャンペーンも展開する。
【馬場昭典社長のコメント】
来春夏までに売上高1.3倍を目指す
婦人の主力ブランドである「組曲」が昨年MDを見直し、現在2ケタ増で推移している。「五大陸」も、来春夏までに1.3倍の売り上げを目指したい(2012年度売上高は65億円)。ブランド自体が従来より縮小傾向にあったことと、世の中が質のよいものに流れているため、そのポテンシャルに期待している。クールビズをはじめ“行き過ぎたカジュアル”へのアンチテーゼの意味も込め、スーツのよさを改めて訴求したい。
(消費税増税前の駆け込み需要に伴い)秋冬は従来の10%ほど商品に奥行きを持たせるが、4月以降も攻めの姿勢でいく。ほかに真似のできない新商品の開発などがなければ勝負はできないと思っている。
片岡愛之助さん。「CMはかっこいい出来栄えで我ながら驚いています」
尾上松也さん「それぞれに似合うものを作っていただいたためか、自分で見てもスーツ姿はかっこいいですね。初日や千秋楽以外でも色々着たいです」
女形として活躍する中村壱太郎さんは、「スリーピースを着るのは初めての経験。歌舞伎と同じように、より多くの人にスーツを着てる姿を見てほしいです」
襲名公演の続く中村歌昇さん。「まだまだ未熟なので、1日1日を大事にしながら、はやくスーツの似合う男性へと成長したい」
現在19歳の中村隼人さんは、唯一ダブルのスーツで登場。「若い方々にもダブルのスーツに挑戦してほしいです」
馬場昭典社長「行き過ぎたカジュアルへのアンチテーゼの意味も込めている」
「五大陸」の広告ビジュアル。「五大陸五人男」は、歌舞伎の演目「白波五人男」になぞらえたコピー。テレビCMは、ロック調のBGMのなかスーツ姿の5人が登場するというクールな演出。
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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