今日の為替市場ポイント:米国債格下げ懸念が浮上

2013年10月16日 08:41

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記事提供元:フィスコ


*08:41JST 今日の為替市場ポイント:米国債格下げ懸念が浮上

昨日15日のドル・円相場は、東京市場では98円37銭から98円64銭で推移。欧米市場では一時97円99銭まで下落し、98円18銭で取引を終えた。

本日16日のドル・円は、98円前後で推移か。米国の債務上限引き上げに関する政府と議会(共和党)の交渉は17日までの妥結が危ぶまれている。格付け会社フィッチ・レーティングスは、米国の「AAA」格付けをウォッチネガティブに指定し、最上級格付けを引き下げる可能性があると警告しており、格下げ懸念でドルの上値は重くなる可能性がある。

マスコミ報道によると、フィッチ社は米国債の格付け見通しを引き下げたことについて、「政治的な瀬戸際戦術や資金繰りの柔軟性の低下は米国の債務不履行(デフォルト)のリスクを高める恐れがある」との見解を示した。ただし、債務上限は引き上げられる見通しであると指摘しており、債務上限の引き上げが行われた場合、その内容次第では米国債の格付け見通しを引き上げる可能性がある。

米財務省はフィッチ社の発表について、「米経済に差し迫るデフォルトの脅威を取り除くため、議会による緊急の行動が必要であることを反映したもの」との見解を表明している。

また、フィッチ社は、米国債保有者への支払いを実行しつつ、他の債務の支払いを停止する可能性について、「財務省は国債の元利返済の履行を優先できない可能性があり、そうした法的権限の有無も不明である」と指摘している。なお、S&P社は、「米国のデフォルトを予想していない」との見解を表明しており、米国債の債務不履行に対する市場の警戒感は現時点で特に高まっていないとの声が聞かれている。《KO》

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