取り残される東京の金融市場、シンガポールが為替取引で日本抜く

2013年9月6日 09:39

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記事提供元:フィスコ


*09:39JST 取り残される東京の金融市場、シンガポールが為替取引で日本抜く
シンガポール金融管理局は5日、今年4月の1日当たり平均為替取引量が3830億ドル(約38兆3400億円)となり、2010年4月の2660億ドルから約44%増加したと発表しました。これはシンガポールが日本を抜き、アジア最大の通貨取引センターになったことを意味します。

また、金利デリバティブ(金融派生商品)の1日当たり平均取引量は370億ドルとなり、10年4月から約6%増加。こちらはまだ日本がリードしているものの、その差は着実に縮まりつつあります。

国際決済銀行(BIS)の統計では、全世界の為替市場規模は6兆6700億ドルで、英国、米国に次ぎシンガポールが世界3位の地位に躍り出ました。

市場シェアは英国が41%で断トツのトップ。次いで米国が19%、シンガポールが5.7%と、英米には大きな差をつけられています。なお、日本は5.6%、5位の香港は4.1%です。

シンガポールの為替市場が拡大した背景には“アジア通貨の重要性の高まり”が指摘されています。世界の成長ゾーンがアジアに移るなか、シンガポールがタイムゾーン(時間軸)でも東京より優位な位置にあると言われています。

安倍首相のアベノミクスでも時間軸は動かせませんが、規制緩和など自由度を高めて金融ハブとしての東京の魅力を高めることは可能です。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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