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週刊ダイヤモンド今週号より~サムスンとの合弁会社不発!シャープ公募増資延期の誤算
記事提供元:フィスコ
*08:00JST 週刊ダイヤモンド今週号より~サムスンとの合弁会社不発!シャープ公募増資延期の誤算
「いつ増資をやるんですか、今でしょう」、そんな前のめり気味であったシャープ<6753>の公募増資に、直前で急ブレーキがかかりました。背景には、韓国サムスングループとの新たな合弁会社設立を巡る社内外での混乱があるようです。
もともと、8月の第2週には、複写機事業を子会社として切り出し、サムスンとの合弁会社にするとの発表がスケジュールとして設定されていたようです。「サムスンは、最大2000億円までなら出せる、という話でまとまっていた」とされ、まさに、公募増資を控えて、“駄目押し”の一手が仕込まれていたことになります。
しかし、キヤノン<7751>やリコー<7752>など国内複写機大手が、シャープとの特許の相互ライセンスの見直しを含ませながら、サムスンとの提携に強い懸念を示しました。「高い利益を守るために、韓国勢の新規参入は絶対に避けたい」などもその背景となっているようです。この提携発表は、公募増資を支えるエクイティシナリオのパッケージの一つだったとみられています。
今後は、サムスンとの事業提携の破談を織り込んだシナリオを描き直して、次に公募増資が可能なタイミング(10月中旬ごろ払い込み)を狙うのが最短になるとみられます。ただ、このころには第2四半期の見通しが見えてくるため、公表した数値目標と乖離すれば、さらに公募増資の機会を逸しかねません。
最大の経営課題である液晶事業が根本的な改善に至っていないことも見落とせず、こうした状況が続く限り、シャープは今後も台本の修正を迫られ続けるかもしれないとダイヤモンド誌では指摘しています。《NT》
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