関連記事
ローソン、土壌研究会社を買収 生鮮野菜販売強化へ
ローソン<2651>は、エーザイ<4523>が保有するエーザイ生科研の発行済株式の70%を取得し、子会社とする株式譲渡契約を締結した。
エーザイ生科研はミネラル農法である「中嶋農法」の商標と、開発した肥料の特許を有している。「中嶋農法」は、土壌診断に基づく健全な土づくりの技術と作物の健全な生育を維持するための生育コントロール技術によって、土壌の栄養バランス(ミネラルバランス)や作物の生育状態に対して適切な栄養を供給する栽培農法だという。関東甲信越地区のローソン店舗では2012年4月から「中嶋農法」認定のカット野菜を販売しており、消費者から高い支持を得ているとのこと。この「中嶋農法」を全国のローソンファームに取り入れ、安心・安全でミネラル豊富な付加価値の高い野菜や果物の提供を拡大していくとしている。「中嶋農法」は、ローソン以外にも、ファンケル<4921>のケールなどにも取り入れられている。
「中嶋農法」は、理学博士である中嶋常充氏が1950年代後半に農薬や化学肥料を使っても、病気が治らず、収量も上がらないといった相談を農家より受け、本格的に農業の研究を始めたのが始まり。研究を重ねるうちに土が劣化しているから美味しい作物が取れない事に気付き、特に多量要素の過剰と微量要素の欠乏が作物を不健康にしている事に着目した。そして土を分析し、栄養バランスを整える手法を開発した。
ローソンは2005年の生鮮コンビニエンスストア「ローソンストア100」オープンをはじめ、約7,000店舗で野菜など生鮮食品の品揃えを強化している。10年には「ローソンファーム千葉」を設立し、今では全国の9ヶ所にローソンファームを拡大しており、今年度中に20ヶ所、中長期的には300ヶ所に増やす予定だ。また、ローソンファーム以外にも、ローソングループと取引のある全国の契約農家にも「中嶋農法」を紹介し広めていくとしている。
24時間営業のコンビニは今や、日本のいたるところにある。しかし、生鮮野菜がたとえば午前3時に必要になった時、以前ほどではないにせよ入手できる店は限られている。そんな中でローソンは早くから生鮮野菜販売に力を入れている。現在では、セブンイレブンやファミリーマートも取り扱いを増やしている。 生鮮野菜は冷凍品や菓子など加工食品に比べて鮮度管理が難しく利益率も低いので、コンビニでは扱いが難しい商品だったが、野菜好きにとって、こういった流れは歓迎すべきことだろう。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・ツイート1位のコンビニは?「ファミマなう」の秘密
・夏のドリンクに異変? 冷たくない売場が急増中
・競争が激しいスイーツ市場で伸びる商品とは?
・相次ぐ賃上げ決定は国内消費の刺激に直結するか
・コンビニ出店ラッシュの陰で増える敗者
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク