急拡大する宅配水市場、ついに1000億円突破か

2013年7月16日 18:14

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記事提供元:エコノミックニュース

ここ最近、家電量販店などの店先でボトル入りのウォーターサーバーの試飲販売をしている様子をよく見かけるようになった。レバーを押せば簡単に新鮮な水や湯が飲めるのが特徴で、ボトルも業者が配送、回収してくれる。2007年頃から一気に拡大してきたビジネスだ。

 矢野経済研究によると、2011年度の宅配水市場規模(エンドユーザー販売金額ベース)は前年度比132.5%の835億円で、2012年度は同110.1%の919億円と大幅な拡大を見込む。

 2011年度に需要が急増したのは東日本大震災の影響もある。しかしその後も消費者の飲料水に対する安心志向の高まりや、備蓄用としての水需要は拡大し続けてきた。以前はオフィスや美容院など一部の店舗に置かれているだけだったのが、近年は一般家庭にも普及が進んできている。

 業界のトップは「アクアクララ(株式会社アクアクララ)」と「クリクラ(株式会社ナック)」の2社。他に「コスモウォーター」「アルピナウォーター」などがある。“ブルーオーシャン”である宅配水ビジネスは新規参入がしやすく、こうした新興企業が熾烈なシェア争いを繰り広げているのだ。

 彼らのビジネスはフランチャイズや代理店方式が基本である。各社ともホームページで新規参入フランチャイジーを募集している。宅配水の事業は在庫を抱えるリスクが少なく、自社の配送網を活かすことができる。こうした利点から、すでに自前の配送網をもっているLPガスの販売業者や、中小零細の宅配業者などがサイドビジネスを始めるケースなどが想定される。もちろん、宅配水ビジネスが将来にわたってフランチャイジーの安定を保証するということはないのだが…。

 水の安全を求める消費者の増加から、宅配水市場は今後も着実な成長が見込まれる。2013年度は前年度比109.9%の1010億円、2014年度は同106.9%の1080億円と、ついに1000億円市場を突破する見込みだ。

 とはいえ市場の伸びも、いつかは鈍るときがやってくる。今後は淘汰される業者も出てくることだろう。そのとき、シェア1位を獲得するのはどの企業か。参入した多くのフランチャイジーはどうなるのか。1000億円の水ビジネスから、今後も目が離せない。(編集担当:北条かや)

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