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「ゲーム脳」論争に終焉?テレビゲームより子どもに重要なものとは
「ゲーム脳」という言葉を覚えているだろうか。2002年に『ゲーム脳の恐怖』(森 昭雄著)という本が出版され、大きな話題を集めた。それによると、携帯やテレビゲームなどを長時間おこなう子どもは脳の前頭前野の機能が落ち、ゲームをしていない時でも脳の働きが悪くなってしまうという。
この本の内容は、テレビゲームが子どもたちに与える影響を心配していた保護者や一般の人々、科学者まで巻き込む一大論争となった。とはいえデータの扱いに不備なども指摘され、さまざまな方面から批判もされている。一方で「アニメ脳」「ネトゲ脳」などの派生後も生まれてきた。
ところで最近、「ゲーム脳」論争に新たなデータを付け加える研究が発表された。RIETI(独立行政法人 経済産業研究所)の中室 牧子氏らによれば、テレビやゲームの視聴時間は子どもの発達に若干の負の影響を与えるが、それらは従来予想されていたよりもはるかに小さいという。「ゲーム脳」はやはり嘘だったのだろうか。
調査は2001年に生まれた子どもたちの元々の特性を考慮した上で、小学校1~3年生における(1)家庭内外の問題行動、(2)学校への適応度合い、(3)肥満の程度を調べた。すると、テレビやDVD、ゲームの視聴が長くなると問題行動や肥満が増えるが、その負の影響度は従来予想されていたよりもはるかに小さいことが判明した。もちろん過度にテレビを見る子どもについては、負の影響は飛躍的に大きくなる。
一方でテレビやゲームよりも、子どもの発育に大きな影響を与える要因が明らかになった。それは早寝早起きやきちんと朝食を食べるという、基本的な生活習慣だったのだ。つまりテレビを見ていても、基本的な生活習慣が身についていれば問題行動はみられないということだ。
当たり前の結果かもしれないが、朝ごはんをしっかり食べる子どもは成績が良いというデータもある(農林水産省)。テレビゲームの悪影響を過度に心配する前に、親や社会が取り組むべき課題は別のところにありそうだ。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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