参議院選挙公示間近 インターネット活用の動きは?

2013年6月29日 19:15

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記事提供元:エコノミックニュース

今回の選挙の大きな話題は、公職公職選挙法が改正されたことにより、インターネットを使った選挙運動が可能になったこと。

今回の選挙の大きな話題は、公職公職選挙法が改正されたことにより、インターネットを使った選挙運動が可能になったこと。[写真拡大]

 2013年7月21日に投票が予定されている第23回参院議員通常選挙の公示日まで一週間を切り、選挙ムードがにわかに高まってきた。今回の参議院選挙は、自民党、公明党両党の復権後、初めての本格的な国政選挙となる。

 

 この選挙の争点の一つは「ねじれ国会」だ。6月26日に安倍晋三首相が首相官邸でおこなった記者会見でも、6年前に民主党に大敗を喫して、いわゆる「ねじれ国会」を生んだのは自分の責任だと強く語り、今回の参議院選に向けての意欲をあらわにしている。たしかに、電力自由化や再生医療の促進のための法案など、安倍首相が進める多くの重要な法案がねじれ国会のもとで不成立となっており、日本の社会や経済は停滞してしまっている感はある。

 

 しかしながら、今回の選挙で「ねじれ」が解消されば、自民公明両党にとって政治がやりやすくなる反面、参議院としての存在意義を問う声もあるのも事実だ。国民がどちらを是とするのか注目があつまる。

 また、今回の選挙のもう一つの大きな話題は、13年4月19日に公職公職選挙法が改正されたことにより、インターネットを使った選挙運動が可能になったことだ。

 NHKがすべての国会議員を対象に行ったネット選挙に関するアンケート調査によると、衆参両院717人の議員のうち、68パーセントに当たる487人が回答を得、その回答した議員のおよそ80%が、活用の仕方次第で自分の選挙結果に影響があると考えているという結果が出ている。また、普段の政治活動で活用しているインターネットサービスとしては、ホームページの利用が97パーセントともっとも多く、次いで、69パーセントがフェイスブックとなっている。しかし、選挙運動でとくに力を入れたいものという質問に対しては、この順位が逆転しており、フェイスブックが29パーセント、ホームページは26パーセントとなっている。

 ネット選挙で最も期待されるのは、これらのネットメディアを通じて、候補者や政党の政策や主張がこれまでよりも伝わりやすくなることだ。その一方で、情報発信に必要な時間や資金の確保が問題として上がっており、また情報の扱い方、伝え方によってはマイナスにはたらくことも大いに考えられ、慎重に考える政治家も少なくない。

 今やインターネットの影響力は、それだけ軽視できないものになりつつあるのだ。

 そのような中、選挙個人の政治家はもとより、政党でも今回のネット選挙に向けての動きも激しくなってきた。26日には、自民党広報本部長の小池百合子氏とネットメディア局長平井卓也氏が、ネット選挙戦略として自民党公式アプリを発表して話題となっている。

 国内のスマートフォン普及率が約40パーセントと言われていることを受け、スマートフォン向けのアプリを提供することで、自民党の情報や様々な動きなどについて伝えていくという。また今回、自民党の戦略の中ではfacebookの活用に重点が置かれており、約37万人のフォロワーを誇る安倍総理の個人facebookページも積極的に活用していく方針のようだが、この公式アプリでも、acebookアプリ「投票へ行こう!」、facebookアプリ「自民あしあとマップ」などが紹介されている。

 対する民主党の方も28日、参議院選挙に向けてインターネットを活用した選挙活動の具体施策を発表しており、若い世代に人気のWEBサービスLINE株式会社が運営する「LINE」や、株式会社サイバーエージェント<4751>が運営する「アメーバピグ」などを積極的に利用することを明らかにした。また、これらのツールを利用し、有権者が参加できるようなイベントやコンテンツを展開するほか、市民が討論に参加できる党運営のネットシンポジウムを開催する予定だ。

 ネットの利用が今回の参議院選挙にどれだけ影響するのか。いずれにせよ、候補者や政党の一方的な宣伝や押し売りのツールに利用されるのではなく、有権者にとって便利で有効なシステムとして活用されるように期待したいものだ。(編集担当:藤原伊織)

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