中国の金融不安が収束しておらず、不動産市場の過熱に要注意

2013年6月26日 12:04

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記事提供元:フィスコ


*12:04JST 中国の金融不安が収束しておらず、不動産市場の過熱に要注意
中国人民銀行(中央銀行)による一部銀行への資金供給などを受け、きのう25日の短期金利が下落。また、季節末要因で流動性不足なども7月以降に解消される見通しだ。

一方、中国の金融不安が依然として収まっていないとの見方が出ている。専門家は、過熱する不動産市場が次の金融不安を引き起こす可能性が高いと警鐘を鳴らした。人民銀から供給された資金の大部分が実体経済に流入しておらず、利回りの高いREIT(不動産投資信託)など金融商品に流入していることが背景。不動産価格が急落した場合、中国版金融危機が発生する公算が大きいと指摘された。

中国では、全体の貸し出しに占める住宅ローンの割合が25%以下にとどまるといわれている。ただ、外国に存在しない地方政府と不動産市場の癒着リスクは無視できない。また、デベロッパーを含む民間企業がシャドーバンキング(影の銀行)からも資金を調達しているため、不動産バブルが崩壊した場合、中国経済が予想以上のダメージを受けると警戒されている。《ZN》

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