中国の金融不安は偶然ではない、政府機関が2年前に予想

2013年6月26日 10:54

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記事提供元:フィスコ


*10:54JST 中国の金融不安は偶然ではない、政府機関が2年前に予想
中国銀行間における短期金利の急上昇について、偶然ではないとの見方が広がっている。今回の騒ぎは市中銀行に責任があると指摘されているが、中国経済そして中国政府自身に隠されていたリスクが現れているとの見方も出ている。また、今回の金融不安が発生した時期が、政府コンサルティング機関である国務院発展研究センターが2011年に予想した中国の経済危機の発生時期(2013年7-8月)とほぼ一致したこともあり、2年前に発表されたリポートは最近再びネット上で出回っている。

同研究センターの李佐軍副所長は2011年9月、中国は2013年7-8月に経済危機が発生すると予測した。李氏は、政権交代に伴って中国政府が内部改革に着手するため、腐敗取締りの強化などがしゃし品市場に影響を与えると指摘。経済面について、地方債務問題や不動産バブルの崩壊というリスクが2013年後半に発生しやすくなるため、地方政府のデフォルトリスクも高まると予測した。さらに、国防費と人件費の増加や、低価格住宅やインフラ整備加速なども中央財政を圧迫すると強調した。

また、李氏は、外部環境について、欧米などの景気減速が中国の輸出を圧迫するほか、中国へのリスク資金の流入が中国人民銀行(中央銀行)の金融政策に悪影響を与えるとの見方を示した。

市中銀行が利ザヤを稼ぐため、銀行間市場で調達した資金を利回りの高いREIT(不動産投資信託)など金融商品に回していることが今回のような短期的な流動性不足を引き起こしていると分析された。一方、こうした利回りの高い金融商品が見えないところで不動産市場や地方政府などと関わっているため、李氏の予測がある程度的中したと言えるだろう。《ZN》

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