米株式:下落、QE3発表後から史上最高値までの上昇分の50%程を取り消す

2013年6月24日 23:59

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記事提供元:フィスコ


*00:00JST 米株式:下落、QE3発表後から史上最高値までの上昇分の50%程を取り消す

米株式市場

S&P500はギャプダウンし、寄り付き後も買い控えが続いており、100日移動平均線(1578)が遠のいている。現在は、昨年9月13日に連銀が期間を設けないかたちで発表した資産購入後から5月につけた史上最高値(1687.18)までの上昇分のちょうど50%程(1634程)を取り消した後に下げ幅を縮小している。

朝方にニューヨーク連銀が、連邦公開市場委員会で投票権を持つメンバーのダドリー・ニューヨーク連銀総裁の23日のコメントを公表、「金融の安定なければ政策は役割を果たさない」との見解を示している。

今週は本日東部時間1:00PMの投票権を持たないダラス連銀のフィッシャー総裁を皮切りに連銀幹部による講演(発言)が多く予定されている。年初から買い控えが続く債券市場においてこのところ買い控えが目立っており、20年債超のETF(TLT)は52週安値更新が続いている。マーケットの混乱は連銀が望むところではないことを踏まえれば、連銀幹部によるマーケットの沈静への務めにも注目される。先週末21日はバーナンキ議長による19日のプレスカンファレンス後に投票権を持つセントルイス地区のブラード総裁が「インフレのターゲット2%維持に努めるべき」、「連銀の資産購入への行方はタイミングではなく、政策を重視すべき」との見解を示していた。

来月に入れば、3週間後の7月17-18日にはバーナンキ議長による議会証言が予定されている。コンパス・ポイント・リサーチが17日のオバマ大統領によるバーナンキ議長に対する「彼の希望よりも非常に長らく現職に留まっている」と発言後に「バーナンキ議長が連銀に残るとの考え方は外すべき」との見解を示し、「バーナンキ議長による7月17-18日の議会証言後にホワイトハウスは後任探しを開始し、秋に発表される可能性が高い。我々は、連銀での経験もあるイエレン副議長が後任に任命される可能性が高いと見る。引き換えに、ホワイトハウスはタカ派を2名幹部に指名するだろう。」との見解を示している。バーナンキ議長は、前述のプレスカンファレンスの際にも2度に渡るメディアからの去就に関する質問を拒絶しており、3週間後に何らかのシグナルが示されるか注目される。

24日の連銀による債券購入は30-37.5億ドルで予定されており、比較的大規模となっている。

S&P 500は23.79安の1568.64前後で推移、ナスダック総合指数45.97ポイント安の3311.28ポイント前後で推移、ダウ平均株価は188.07ドル安の14611.33ドル。(日本時間22時45分時点)。《KG》

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