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進化する企業のSNSプロモーション
FacebookやLINE、TwitterをはじめとするSNSは今や、生活の上で欠かせないコミュニケーションツールとなりつつある。
株式会社ICT総研が5月30日に発表した「SNS利用動向に関する調査結果」によると、2012年12月末時点での国内ネットユーザーは9,556万人で、その内の52パーセントにあたる4,965万人がSNSを利用していることがわかった。この調査は、SNS運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー12,000人へのアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したもの。アンケート対象者のうち約55パーセントが何らかのSNSや通話・メールアプリを利用していると回答しており、1人あたり平均4.5件のSNSに登録していることもわかった。
これだけ社会に浸透しているSNSは、個人にとっての便利なコミュニケーションツールであると同時に、企業にとってはマーケティングを行う上での最も重要なプロモーションツールでもある。
キャンペーンやイベントなどの告知、企業イメージのブランディングなど、活用の範囲は多岐に渡る。とくにルールや定石のようなものが確立されていないため、基本は自由で、それだけに使いあぐねたり、模索を続けたりしている企業も多いが、大規模な企業になればなるほど、その重要性と可能性を理解して、力を入れているように見受けられる。
例えば、日産自動車<7201>は「東京モーターショー2009」をきっかけにTwitterを開始し、昨年6月からはFacebookを中心に新プロジェクト「にっちゃん」を立ち上げた。「にっちゃん」の編集長は人気放送作家の鈴木おさむ氏が担当し、既存の日産ファンのみならず、新規顧客の掘り起こしも狙ったサイト展開を行っている。
また、日本のナショナルフラッグキャリアであるJALもFacebookを積極的に活用している企業の一つだ。JALは2010年に経営破綻し、ブランドイメージを著しく毀損した。しかし、2011年4月にFacebookページを開設し、顧客と双方向でコミュニケーションをとることで信頼の回復を図った。その結果、80万人以上のファンを獲得し、2012年の第5回企業ウェブ・グランプリではソーシャルネットワーク部門でグランプリを受賞しており、企業のSNS活用事例として成功を収めた代表的な例となっている。
大塚製薬も、Facebookを使った「ポカリIQチェック」や、スマートフォン「ION WATER AR」、などSNSや最新のIT技術を使ったプロモーションを積極的に展開している企業の一つとして知られているが、新たにプロモーションに利用したのはTwitterが買収したことでも注目を集めている動画共有サービスVineだ。
Vineは同じ動画共有サイトというカテゴリーでも、youtubeなどとは大きく異なり、一つの投稿で公開できるムービーは最長6分。どちらかといえば写真やGIFアニメ感覚の動画がメインとなるサイトだ。撮影はiOSもしくはAndroid端末のアプリで行う。たかが6秒ではあるが、短い映像だけに、趣向を凝らしたクオリティの高い映像が投稿されていることで人気が高まっている。
大塚製薬が今回製作した「POCARI SWEAT – Make a THIRSTY Scene」は、建築模型用の添景を販売するテラダモケイの紙製の模型を使用したストップモーションムービー。撮影を担当したのは、「ゴジラ」シリーズなどを撮影した東宝映像美術の桜井景一氏。たかが6秒の撮影に8時間以上を費やした意欲作となっている。
日本ではまだ認知度の低いVineだけに、大企業のプロモーションとしてはおそらく日本初。しかし、同社ではTwitterとの連携やFacebookページとの相乗効果が狙えるのではないかと期待を寄せている。
SNS全盛の一方で、コミュニケーションを面倒に感じ、SNS疲れやSNS離れも増えている。とはいえ、そんな人の中でも、友人や同僚などとのコミュニケーションツールとしての使い方はやめても、情報収集のためのツールとしてのみで活用している人も多い。SNSばかりに頼りすぎるのも考えものだが、今後も益々、SNSで宣伝活動を行なうことは企業にとって重要なものとなってくるだろう。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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