【アナリストの眼】第一商品の今期は2.8倍増益と急向上、利回り3.1%、PER4~5倍

2013年5月14日 09:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

 商品先物取引大手の第一商品<8746>(JQS)に注目したい。株価は5月2日の前期(13年3月期)業績減額修正を嫌気したが、5月10日発表の今期(14年3月期)見通しを好感して急反発している。

 前期業績(非連結)は、期前半の商品先物取引売買高が低調に推移したため計画未達となり、売上高が前期比0.6%減、営業利益が同2.6%減、経常利益が同11.3%減、純利益が同30.8%減だった。訴訟関連損失や厚生年金代行返上額不足負担分などの特別損失計上も影響した。

 ただし前期後半には、日銀による金融緩和効果などで商品先物取引売買高が回復基調となっている。このため今期見通しは売上高が前期比27.4%増の102億円、営業利益が同2.8倍の34億96百万円、経常利益が同2.3倍の35億01百万円、純利益が同3.4倍の21億48百万円の大幅増収増益としている。配当予想については前期と同額の年間20円(期末一括)としている。

 株価の動きを見ると、3月25日の戻り高値693円から反落して520円~530円近辺まで調整し、足元も5月8日に536円、5月9日に533円を付けた。5月2日発表の前期減額修正も嫌気されたようだ。しかし5月13日には一転してストップ高水準の653円で取引を終了した。5月10日発表の今期大幅増収増益見通しを好感したようだ。

 5月13日の終値653円を指標面で見ると今期予想PER(会社予想のEPS139円19銭で算出)は4~5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績のBPS602円14銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を一気に回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形となった。3月25日の693円に接近して上値を試す展開が期待されるだろう。11年7月の747円も意識されそうだ。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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