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アベノミクスで食用油が高騰 マヨラーにも5年ぶりの打撃
「マヨラー」という呼称が浸透するほど日本人に愛され、日本の食卓には欠かせない調味料であるマヨネーズが、アベノミクスの影響を受けて危機的な状況にある。
家庭用マヨネーズの市場は約630億円。そこに市場規模約400億円前後と推定される業務用マヨネーズを加えると、マヨネーズ全体の市場は約1000億円強にもなるといわれる。そんな巨大な市場が、食用油の輸入価格高騰によって、約5年ぶりとなる大きな打撃を受けそうなのだ。
マヨネーズの成分の7割は食用油。しかし、その食用油の仕入れ価格が上昇しているのだ。食用油の原料である菜種が需要増加によって高値推移しており、さらにはアルゼンチンの天候不順などの影響を受けてシカゴ大豆定期までが高値推移していることから大豆の相場も高止まりしているうえ、昨年末から円安が急激に進行したことによって、円貨ベースでの原料コストの大幅な上昇を招き、コスト吸収が難しくなっている。
このような状況を受けて、キユーピー株式会社<2809>は5月8日、家庭用マヨネーズの価格を7月1日出荷分から約4~9パーセント値上げすると発表した。主力商品である500グラム入りは、税抜き参考小売価格を現行の357円から25円値上げして382円に、脂質の少ないことで人気のマヨネーズ風調味料「キユーピーハーフ」(400グラム入り)は、現行の329円から13円値上げして342円に変更する。また、タルタルソースやサンドイッチスプレッドなどの商品も3%程度値上げする見通し。ただし「キユーピーライト」と「キユーピーディフェ」、及び各ドレッシングの価格は当面据え置く。
キユーピーは、2007年6月と翌08年8月にも食用油価格の高騰によりマヨネーズなどの価格を値上げしている。しかし、09年5月には食用油価格が値下がりしたことから、商品価格を引き下げていた。今回の値上げは、約5年ぶりとなる。
マヨネーズだけを見ると、たかだか数十円のことだが、食用油は何もマヨネーズだけに使われているのではない。日清オイリオ<2809>とJ-オイルミルズ<2613>はすでに4月から価格改定し、家庭用、業務用、加工用の各食用油の値上げに踏み切っていることからも、マヨネーズだけでなく、食用油を使った食品全体が今後値上げの方向に傾いていくのは間違いないだろう。油の値段が上がってカロリーオフな食事になれば、ダイエット効果もあるかもしれないが、家計は膨らむ一方だ。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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