【株式評論家の視点】三菱重工業はあらゆる状況が先高を示唆、本領発揮の局面へ

2013年4月10日 12:28

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<銘柄の見所>

  三菱重工業 <7011> が総合重機ナンバーワンの本領発揮の舞台を迎えた。北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射問題にからみ、防衛関連株が一斉高となり、上げ加速への手掛かり材料となった。また、証券会社のレーティング最上位の継続、トルコの原子力発電所建設での受注有力など、株価を支援する材料にも恵まれている。

  円安の進行は同社にとって強力な追い風となる。特に船舶・海洋では、円安・ウォン高で韓国企業に対する受注競争力が回復すると考えられ、収益を大きく押し上げる方向にある。輸出のウエートが大きい航空・宇宙も前期は赤字だったが、今期は「MRJ」の開発負担をカバーして200億円の黒字が想定される状況だ。尖閣問題深刻化を受け、2013年度の海上保安庁予算案では巡視船艇・航空機の整備が2012年度当初予算案比で大幅に増加しているほか、2012年度まで減少が続いてきた防衛予算も増加に転じる見通しで、同社にとっては劇的な環境好転である。

  造船業界ではリーマン・ショック以前の大量発注の反動で造るべき案件がなくなる2014年問題が取り沙汰されてきたが、米国発の"シェールガス革命"などによりLNG船の需要が徐々に増えつつある。バッテリー事故を起こした米ボーイング社の「B787」については、運行再開へ向けた試験飛行を完了、英BAも追加購入を発表するなど、懸念材料が薄れつつある。前2013年3月期の第4四半期からの日立(6501)との火力発電事業統合の効果にアナリスト筋の評価も高い。アナリスト筋は今2014年3月期の1株利益は28円(前期推定20円)に達するものと見ている。(株式評論家・隆盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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