電通、英広告大手イージス買収を完了 新海外本社がロンドンで発足

2013年3月27日 11:28

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 電通は26日、昨年7月12日に公表した英広告大手イージス・グループ(本社:ロンドン)の買収に関し、2013年3月26日(英国現地時間)にすべての手続きを完了したと発表した。買収総額は約31億6,400万ポンド(円貨ベース概算では約4,090億円)となる。また、今回の買収に伴い、イージス社は非上場会社となり、電通の100%子会社となる。

 イージス社を迎え入れた新しい電通グループは、全世界で約36,000人の従業員を擁し、110カ国・地域(300拠点以上)で事業を展開するグローバル・コミュニケーション・グループになる。また、これにより、電通の推計では、アジア太平洋地域で収益ナンバーワン、かつ世界最大の広告市場である北米では最も急成長を続け、そしてデジタル領域における組織的なサービス提供能力と成長力では世界トップクラスの広告会社グループとなるという。

 イージス社の買収・統合の狙いは、事業領域やサービスにおける補完関係に加え、地理的な広がり、主要市場やデジタル分野における規模の拡大、また財務資源の強化により、成長を加速していくことにあるという。

 そのため今回電通は、イージス社を統合して新しいグローバル体制でさらなる成長を目指すため、ロンドンに本拠地を置くイージス社を改称し、新たに海外本社となる「電通イージス・ネットワーク社」を発足させ、新しい電通グループの海外事業運営を統括する。

 また、イージス社傘下の「イージス・メディア社」を会社形態をとらない“組織” へと変更し、新たにイージス全体のグローバル事業を統括する組織「イージス・メディア」として位置づける。さらに、電通の海外事業統括組織である「電通ネットワーク」と変更後の「イージス・メディア」を「電通イージス・ネットワーク社」の管轄下に置く。

 今後電通グループは、国内事業グループ各社と、海外事業運営を統括する「電通イージス・ネットワーク社」傘下のグループ各社が国境や領域を超えて協働し、サービスの共有や統合、革新的なサービスの開発・提供、共同提案の機会づくりなどを積極的に推進していくことで、クライアントから世界のどの地域においても最良のパートナーとして選ばれ続けるグループになることを目指す。また、グループ全体での競争力や収益力の向上に資するアクションプランを策定し、それを着実に実行していくことでシナジー効果の創出を図っていくとともに、今後も必要な事業投資やM&Aを継続していくことでさらなる成長を実現していく。

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