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職場で進む夫婦別姓、20代女性は過半数が民法改正を支持
「選択的夫婦別姓」についての世論が2つに割れている。内閣府の世論調査では、選択的夫婦別姓制度導入のための民法改正を「必要はない」とする反対派は36.4%(前回比1.4ポイント増)、賛成派は35.5%(前回比1.1ポイント減)となり、反対派が賛成派をわずかに上回った。
年代別では年齢が上がるほど反対派が多くなっており、賛成派は若い層ほど多い。20代では47.1%、30代でも44.4%が賛成で、特に20代女性では夫婦別姓への民法改正を支持する者が過半数を占めた。若い人ほど「選択の自由」を支持している格好だ。
一方「家族の名字が違っても絆には影響がないと思う」と答えた人は約6割で、「一体感が弱まる」は4割程度だった。
そもそも明治以前は多くの日本人にとって名字自体が存在しなかったので、夫婦同姓の歴史はそれほど長いわけではない。だが80年代以降は女性の社会進出にともなって仕事上の不都合などを感じる人が増え、別姓への要望が高まった。
1996年には内閣府の世論調査で「夫婦別姓」について尋ねる項目が盛り込まれ、民法の改正案が法務省から発表された。以後何度も国会に提出されているが、なかなか実現していない。
腰が重い政府とは別に、仕事の現場はすでに先を行っているようだ。2001年には国家公務員の旧姓使用が認められ、地方自治体の職員や大企業などにも広がった。2010年の産労総合研究所による調査では、民間企業192社のうち旧姓使用を認めている会社は55.7%。規模別では従業員1000人以上の会社は7割、300人以上1000人未満の会社は6割強、300人未満の会社は約4割だった 。大企業ほど結婚後も働き続ける女性が多く、旧姓使用の要望も多い実態が反映されているのだろう。
冒頭の世論調査では、夫婦別姓を認めると答えた人のうち別姓を「希望する」と答えた人は23.5%で、前回調査の20.9%からやや増加した。「希望しない」は49%(前回48.9%)。若い世代を中心に、自身は夫婦別姓を選択するつもりはないが、「選択の自由」への意識は高まっているということかもしれない。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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