【編集長の視点】コマツは急反落、日米建機トップは業績悪化も中国景気の先行き評価が分かれて明暗

2013年1月30日 11:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットトーク>

  コマツ <6301> は、前日29大引け後に今3月期第3四半期(3Q)決算の開示とともに、昨年7月に続く3月通期業績下方修正を発表。米国市場では、同社と同業の建設機械トップのキャタピラーが、28日に10~12月期業績を発表、減収減益決算となったが、株価は値上がりしている。

  コマツの業績再下方修正は、建設機械・車両部門で、燃料炭価格の下落などが影響して同社販売シェアの高いインドネシア市場向け鉱山機械の大型機械・中小型機械の需要が減少したことが要因となった。第4四半期の為替レートは、1ドル=88円、1ユーロ=115円、1人民元=14.1円と前回想定(各79円、99円、12.6円)から円安方向で見直したが、年間販売量の減少が大きくカバーできなかった。

  業績そのものは、売り上げを7月の減額値より500億円、税引前純利益を300億円、純利益を190億円それぞれ引き下げ、純利益は、1380億円(前期比17%減)と続落し、市場コンセンサスを80億円強下回る。

  一方、キャタピラーの10~12月期純利益は、中国での不正会計損失を計上したことで55%の減益となったが、先行きの中国経済の確実な回復も示唆したことから株価は上昇した。

  コマツの株価は、昨年7月の業績下方修正、超円高進行で突っ込んだ昨年来安値1439円から円高修正、「アベノミクス」効果、中国景気の底打ち観測などで1000円幅の底上げをしてもみ合っていた。

  コマツを代表株とする中国関連株は、1月25日に業績を下方修正して前日に急落したファナック <6954> に続き、コマツの業績再下方修正、株価急落であり、この連想売りが懸念させるところとなる。同業他社の日立建機 <6305> 、鉄鋼株の新日鐵住金 <5401> 、海運株の商船三井 <9104> など、今後が要注目となる。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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