市場へ向け追い風になるか「低炭素住宅」

2013年1月15日 11:00

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 昨年12月4日、「都市低炭素化促進法」が施行され、同法に基づき「低炭素住宅」の認定制度が始まった。税制優遇措置などが行われるため、今注目を集めている。

 「低炭素住宅」が認定される基準だが、まず"エネルギー消費量を現行省エネ基準より10%以上低く抑える"ことが必須とされ、さらに、"節水対策機器の設置""HEMS(ホームエネルギー・マネジメントシステム)の導入""太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備と連携した定置型蓄電池の設置""住宅劣化軽減の措置""木造"などの8項目の中から2項目以上の該当が必要だ。これだけ条件を並べるとクリアするためのハードルは高そうに感じるが、 2009年に施行された「長期優良住宅促進法」と比べると突破しやすいと言われている。

 そして、税制優遇措置に関しては、住宅ローン控除は一般住宅より最大100万円控除され、登録免許税の税率も優遇される。住宅ローンでは「住宅金融支援機構」のフラット35Sの中で現在最も優遇幅が大きい金利タイプAの対象になることも発表されている。他の優遇措置では容積率の緩和(蓄電池など低炭素化設備を床面積に加えない)がある。

 「長期優良住宅」は新築戸建住宅の30%程にまで普及率を上げていると言われており、「認定低炭素住宅」にメリットを見出だせないという声を上げる関係者もいるが、この新制度は2020年に標準化すると言われる「ゼロエネルギー住宅」に向けての布石であり、その役割は非常に大きいものだ。

 この認定制度をクリアした住宅の普及には中小の住宅メーカー及び地方工務店の技術力向上が絶対に必要であり、国も支援策を講じる意味合いがここにある。

 そんな中、中小住宅メーカーの先陣を切って、アキュラホームが1月2日より限定500棟の「認定炭素住宅」に対応した「木和美S」を販売した。同社が主宰する全国の工務店ネットワークである「ジャーブネット」もこの住宅販売企画に参画することで、部材調達をスムーズにし、コストを抑えることが可能となり、価格も1000万円台に抑えることを実現している。また、3月までは太陽光発電の無料搭載やグレードアップ設備の無料化を実施する企画も実施される。

 これに続く中小住宅メーカーの「認定低炭素住宅」商品の市場投入も相次ぐと予想され、さらに、消費税アップ前の駆け込み需要も重なって、2013年の住宅市場は活性化しそうな気配だ。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事