中小企業の財務・経理担当者必見!ファクタリングとは違う 小口売掛金を活用した融資で資金繰りを円滑にする方法(1/2)

2013年1月15日 12:23

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株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンス

 2009年12月4日に施行された中小企業金融円滑化法は、2度の延長を経て、2013年3月末に最終期限を迎える。事業改善が計画通りに進んでいない中小企業にとっては、今後に備え早めの対策が必要になる。今回は、株式会社東京スター銀行のグループ会社で、売掛債権担保融資を専門に取り扱う、株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンス(以下、東京スター・ビジネス・ファイナンス)の担当者に話を聞いてみた。

中小企業円滑化法“終了後”を乗り切る新しい資金繰り対策

 長引く不況に、震災や円高の影響などが加わり、中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いている。中小企業を支援するため2009年12月4日に施行された中小企業金融円滑化法は、2度の延長を経て、2013年3月末にいよいよ最終期限を迎える。同法を所管する金融庁は、2012年11月1日に「金融庁としては、円滑化法の期限到来後も、貸し渋り・貸し剥がしの発生や倒産の増加といった事態が生じないよう、引き続き、日常の検査・監督を通じて金融機関に対し、他業態も含め関係金融機関と十分連携を図りながら、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう促していく」という趣旨の金融担当大臣の談話を発表したが、中小企業にとっては、事業の改善とそれに伴う資金繰りの改善について対策が必要になってくる。これまでの中小企業融資は、不動産を担保にした融資や、個人保証を要する融資がメインであったが、これらに頼らない新しい資金繰り対策が出てきているようだ。

 例えば、DDS(Debt Debt Swap)は金融機関を始めとする債権者からの同意を得た上で、債務を通常のローンから長期の資本性劣後ローンへ借り換える手法で、「リスケジュール」と同様の効果や、「債務者区分引き上げ」による金融機関からの支援継続が期待できる。また、地方銀行や政府系金融機関等が共同で数十億円規模の再生ファンドを創設し、中小企業金融円滑化法の最終期限後の中小企業支援に乗り出す動きもあるようだ。

 動産担保融資(Asset Based Lending:略称ABL)も最近よく活用されている手法で、設備・在庫や売掛債権等の動産を担保に資金調達を実施するものである。設備・在庫であれば、農家が飼育している肉牛や乳牛を担保に融資を受けた事例や、大手食品メーカーのカゴメが、原料トマトを担保に10億円の融資を受けた事例がある。

取引先の小口売掛金を担保にできる?

 東京スター・ビジネス・ファイナンスは、売掛債権担保融資のパイオニアであった株式会社ガリアプラス(以下、ガリアプラス)から事業譲渡を受け、東京スター銀行が100%出資する子会社として2010年9月に設立された企業で、ガリアプラスが2003年に取得した「売掛債権評価システム」という特許を活用することにより小口多数の売掛債権を担保として評価し、運転資金を提供することによって、中小企業の資金繰り改善の悩みに応えている。

 「売掛債権担保融資」という言葉自体、あまり聞きなれない言葉であるので、東京スター・ビジネス・ファイナンスで取材に応じてくれた営業部の中嶋秀明氏、業務部の花房暁彦氏の両名に、まずはどういうものなのか尋ねてみた。

 「売掛債権担保融資は、動産担保融資(Asset Based Lending:略称ABL)の一形態で、継続安定した取引先に対する売掛債権を担保に融資を行う仕組みです。当社では、『スターABL』という商品名で売掛債権担保融資を提供しており、製造、卸売、運送、広告・印刷、人材派遣、出版に関する事業を営む年商5億円規模以上の法人の運転資金ニーズ対して、売掛金を評価し、評価額に応じた資金をご融資しております。例えば、運送業であれば、取引先である荷主から支払われる運賃が売掛債権ということになります。」(中嶋氏)

 年商5億円というと、月商ベースで4,000万円強。従業員数10名から20名程度の事業者といったイメージだろうか。季節要因による仕入れ増加、従業員の賞与、納税資金等、突発的に支払いが大きくなる際、あるいは取引先に不慮のトラブルがあり入金が遅延した際に、頼りになりそうだ。

 「『スターABL』の特徴としては、『対象となるお客さまの層の広さ』が挙げられます。ご融資金額に関わる担保評価の観点から、業種や年商規模に一定の制限を設けさせていただいておりますが、小口の売掛金という、一般的に金融機関が徴求する担保とは異なる資産を担保として評価しますので、創業間もない企業や、赤字からの再生途上の企業等、銀行からの支援を受けにくいお客さまでもご相談いただけます。」(中嶋氏)

 調べてみると、「売掛債権評価システム」を使って売掛債権を評価する際には、全売掛債権を一括で評価するため、「売掛先が多いほど、リスクが分散されている」と考えるらしい。よって、売掛先の信用度の高さではなく、売掛先が多いほど、高い評価を得られやすいという特徴があるようだ。花房氏も、評価のポイントについて具体的に述べていた。

 「当社をご利用いただく際は、売掛先が上場・優良企業である必要はなく、お取引先の数が多く『売掛金が小口分散されている』ということがポイントになります。」(花房氏)

【参考】『スターABL』の特徴

[PR]文、企画編集/SBIホールディングス株式会社 イー・ローン事業部(http://www.eloan.co.jp/

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