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【アナリストの眼】建機レンタルのカナモト、業績絶好調、株価なお割安
<業績&株価分析>
建設機械レンタル大手のカナモト <9678> は12月7日、前期(12年10月期)連結業績を発表した。株価は決算発表で利益確定売りが優勢になったが、好業績見通しを評価する動きが期待されるだろう。
前期は売上高が前々期比21.1%増、営業利益が同2.2倍、経常利益が同2.6倍、純利益が同3.1倍の大幅増収増益だった。10月9日に発表した上方修正値も上回った。東日本大震災の復旧・復興・瓦礫処理・除染関連工事、各地の豪雨災害復旧工事などで需要が好調だった。震災復旧・復興向けを確保するため中古建機の売却を抑制したが、一方では首都圏での市場シェア拡大戦略による防災・減災工事の取り込みや、6月に連結子会社化したユナイト(道路用建設機械レンタル事業、道路工事施工事業を全国展開)も寄与した。純利益については負ののれん発生益も寄与した。
来期(13年10月期)については、売上高が前期比15.1%増、営業利益が同10.7%増、経常利益が同9.7%増、純利益が同10.8%減の見込みとしている。震災復旧・復興・瓦礫処理・除染関連工事、北海道新幹線関連工事、首都圏の防災・減災関連工事などに加えて、関東以西への営業拠点新設、ユナイトの通期連結なども寄与する模様だ。トンネルや橋梁の点検・補修関連、厳冬に伴う豪雪関連なども追い風となりそうだ。会社予想は利益面に保守的な印象が強く、上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、好業績期待で決算発表前の12月5日に年初来高値となる1055円まで上昇したが、反落して11日には965円まで調整した。決算発表で一旦は利益確定売りが優勢になったようだ。11日の終値983円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円16銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1221円56銭で算出)は0.8倍近辺となる。
日足チャートで見ると25日移動平均線近辺、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺まで調整したが、上昇トレンドの押し目局面だろう。11日は売買高が増加して下ヒゲを付けており、利益確定売りはほぼ一巡した可能性がありそうだ。今期好業績見通しや上振れの可能性を支援材料に、上値追いの展開が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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