住友商事、米国で準高速鉄道用2階建客車130両の発注内示を受領

2012年11月7日 18:23

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準高速鉄道用2階建客車イメージ(画像:住友商事)

準高速鉄道用2階建客車イメージ(画像:住友商事)[写真拡大]

 住友商事は7日、日本車輌製造およびNIPPON SHARYO U.S.A., INC.(日本車両USA)と共に、米国住友商事会社を主契約者として、カリフォルニア州交通局(Caltrans)より準高速鉄道用2階建客車130両の発注内示を受領したと発表した。

 同案件は、Caltransが契約窓口となるが、アメリカ中西部のイリノイ州、ミシガン州およびミズーリ州の各交通局との共同調達案件となっており、Caltransに42両、中西部の交通局に88両を納入する。130両の契約金額は約3億5,200万ドル(約280億円)で、2015年~2018年にかけて順次納入される予定。

 また、CaltransおよびCaltransが指定した米国公共交通機関にはオプション契約として計300両の追加発注権があり、オプション分の金額が約8億9,800万ドル(約720億円)で、全体では約12億5,000万ドル(約1,000億円)の大型契約になる。

 今回の案件は、米国政府が打ち出した高速鉄道の新規建設及び既存路線の高速化・信頼性向上による景気刺激策の一環として実施される初めての鉄道車両調達案件であり、2009年米国再生・再投資法資金が使用される。このため、"100% Buy America"と称される従来よりも厳しい現産化が要求されている。

 住友商事および日本車両は、日本車両USAが2012年7月に開業したイリノイ州ロシェル市の新工場を中心として、資材調達、車体製造、最終組立及び試験を行う現地一貫事業体制にて鉄道車両製造を行うことで、同案件の契約要件に対応していく。

 一方、米国では、2008年旅客鉄道投資および改善法に基づき、調達コスト低減を追求するため各種鉄道車両の仕様標準化が進められてきた。同案件は、当該法に基づき策定された2階建客車標準仕様に基づく初の調達案件であり、同仕様に基づく調達が今後数多く見込まれている。住友商事と日本車両は、長年の協力関係をベースに米国市場でのプレゼンスを高め、さらなるビジネス拡大を目指す。

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