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本に載らない現場のノウハウ-中小企業の人事制度の作り方:第7回 等級制度の留意点(2)(1/3)
前回に引き続き、等級制度を検討する上での留意点についてご説明します。
■等級のランク数について
等級制度を考えるにあたって、そのランク数をいくつにするのか、どのくらいのランク数が適切なのかということは、重要なポイントの一つです。
一般論でいえば、人数が多くて、組織自体の階層も多重化された大企業の方が、等級ランクの数は多くなり、人数が少なくて、組織階層もフラットなことが多い中小企業の方が、等級ランクの数は少なくなるでしょう。
等級のランク数を検討する際には、このような原則と合わせて、ランクの数が多いと年功的な運用になりやすく、ランク数が少ないと年功的な要素は弱まるという点にも、留意をしておいた方がよいと思います。
これは年功的な運用が一概に良いとか悪いとか言うことではなく、自社の仕事の状況や社員の状況に合わせて考えるべきということです。個人による能力差がつきやすい仕事内容であれば、年功的な運用はあまり好ましくないでしょうし、一歩一歩経験を積み上げていくことが必要な仕事内容であれば、年功的な考え方がフィットするでしょう。各社の事情に合わせて考えることが必要です。
多くの企業では、等級制度の検討にあたっては、現行の組織階層や役職、元の制度の構成などを考慮して決める、昇格モデルを設定して、それに合わせてランク数を決める、といった方法を取ることが多く、あとは、例えば経験が少ない若手では等級の階層を細かく設けて進歩の度合いを実感させ、上位等級になるほど等級階層を大括りにして年功要素を弱めた構成にするなど、各等級に該当する社員の経験、能力、役割によって、等級毎の性格付け、取扱いの違いを作っていきます。
あくまで参考ですが、最近の傾向としては「毎年○号上がる」というような細かいピッチでの構成は少なく、比較的大きな括りで等級設定をすることが多いです。
私がお手伝いするケースでは、100名以下の企業で5~6階層、1000人規模の大企業でも7~8階層で最大というようなところです。ごく一般的な例示ですが、「初級 → 中級 → リーダー → マネージャー(課長) → 上級管理職(部長)」というような構成であれば、5ランクということになります。このあたりを参考に、自社の状況に合わせて考えてみて下さい。
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