デンソー、自動車用大画面ヘッドアップディスプレイを開発 2015年頃製品化

2012年10月22日 11:16

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レーンガイダンスの表示イメージ(画像:デンソー)

レーンガイダンスの表示イメージ(画像:デンソー)[写真拡大]

  • 検知した歩行者の表示イメージ(画像:デンソー)

 デンソーは19日、自動車用としては世界最大の表示サイズとなるTFT液晶ヘッドアップディスプレイ(HUD)を開発したと発表した。製品化の時期は2015年頃を予定している。HUDとは、運転に必要な各種情報をフロントガラスに表示させるもので、運転中のドライバーは視線を大きく移動させることなく情報を得ることができる。

 HUDは、ハンドルの奥のダッシュボードに埋め込む形で搭載されている。液晶パネルに表示した映像がミラーに反射し、それが更に凹面鏡と呼ばれる拡大ミラーに反射して拡大される。その映像をフロントガラスに反射させることによって、ドライバーは浮き上がるように表示された映像を見ることができる。

 今回デンソーが開発したHUDは、自動車の走行スピードや道路の制限速度といった基本的な情報の表示に加え、車載カーナビゲーションシステムや画像センサーと連携することにより、進行方向を矢印で表示する「レーンガイダンス」を行ったり、センサーが検知した車両前方の歩行者の存在をドライバーに知らせるための表示を行うことができる。これらの情報は実際の風景に重ね合わせて表示されるため、ドライバーはより早く、直感的に情報を入手することが可能。さらに、各種表示の位置、色調など、ドライバーの運転を妨げないことに配慮しているほか、まぶしい太陽光のもとでも視認性を保つため、ディスプレイの輝度を従来比で約2倍に向上させた。

 デンソーは1991年以来、HUDを生産している。HUDはドライバーの視線移動が少なくて済むため、交通事故の軽減に貢献できる技術として期待されており、今後更なる普及が見込まれている製品。

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