ゲームは終盤戦、「株券はいらない、株価が欲しい」展開=犬丸正寛の相場展望

2012年9月21日 16:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

相場は高値圏での波乱を見せ始めているものの、「もうしばらくゲーム的展開は続きそうだ」。日米欧で実施された金融緩和の効果を期待しながら・・・。

相場は高値圏での波乱を見せ始めているものの、「もうしばらくゲーム的展開は続きそうだ」。日米欧で実施された金融緩和の効果を期待しながら・・・。[写真拡大]

  相場は高値圏での波乱を見せ始めているものの、「もうしばらくゲーム的展開は続きそうだ」。日米欧で実施された金融緩和の効果を期待しながら、輸出環境の急速な悪化に怯える市場心理となっている。その中で、とくに、輸出悪化が形となる「9月中間決算」発表まで時間的な余裕があるため、折角、盛り上がったゲームは続けたいということのようだ。

  「今の相場をゲームにたとえると、野球なら8回くらいの後半、マージャンなら東南西北の4つの場なら西場か北場だろう。終わりに近づいているものの、柿が熟れて落ちる前と同じように今が相場としては一番おもしろいところ」(中堅証券)という。

  つまり、多くの投資参加者がゲームの終盤に差し掛かっていることは承知しているというわけだ。「業績が悪くなることは分かっているから株券が欲しいわけではなく、あくまでも短期での株価(値)が欲しい」(同)というわけだ。ここにゲーム的な感覚がある。

  欧州信用不安で輸出が落ち込んだところへ今回の中国問題である。今後、本気になって中国ビジネスに取組もうとする企業は数少なくなるはずだ。リスク承知で押し切ると株主から批判を浴びることも予想される。中国ビジネス見直しに伴う直接、間接の影響はこれから出てくるものとみられる。まだ、相場には十分、織り込んでいない。

  日米欧の金融緩和が縮小する世界経済に対し、どれだけ効果があるのか。かつての産業革命のような画期的なことがないと豊かで成熟した世界経済を活気づかせることは難しいのではないか。金融政策だけでは限界がありそうだ。

  幸い、日本では近い将来の政権交代が間違いなさそうで、財務主導から通産主導の日本再生が期待できそうだ。道州制あるいは首都機能移転などによる新しい日本の枠組みを作り直すことで復活の可能性も秘めていると思われる。

  しばらくは、輸出株売りの内需関連株買いの展開が予想されそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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