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オリンパス、情報通信事業を日本産業パートナーズに530億円で売却
オリンパスは24日、本日、同社の連結子会社であるアイ・ティー・エックス株式会社が営む情報通信に関する事業を、国内有数の投資ファンドである日本産業パートナーズへ譲渡することを決議したと発表した。
オリンパスは、今年6月8日に公表した中期ビジョン「原点回帰 "Back to Basics"」の基本戦略の一つとして「事業ポートフォリオの再構築・経営資源の最適配分」を掲げ、医療事業、ライフ・産業事業、映像事業を事業ドメインと位置付け、その強化に取り組んでいる。一方、これら以外の事業については、非事業ドメインとし、事業ごとに最適な価値向上策を再検討し、オリンパスでの事業継続が難しいと判断した事業については、事業ドメインとの関連性を見極めた上で売却・撤退等を行う方針としている。
アイ・ティー・エックスが営む携帯電話等のモバイル端末販売を中心とする情報通信事業は、2012年3月期に売上高約2,294億円、営業利益約53億円を計上し、オリンパスグループ内において安定的な収益の獲得に貢献してきた。一方で、同事業の更なる成長を実現するためには、積極的な店舗展開や人材投資に加えて、経営ノウハウと資金を含む経営資源の投入が迅速かつ積極的に行われる体制の整備が必要だという。
こうした中、オリンパスは、同事業の事業環境に加え、中期ビジョンの基本戦略に沿って検討を行った結果、同事業とオリンパスの事業ドメインとの関連性は薄いと判断するに至り、他社への譲渡を模索してきた。
そして今回、子会社独立・事業分社化等の豊富な実績及び経験を有する日本産業パートナーズの経営支援ノウハウや資本面での支援の下で事業の発展を図ることが、同事業の更なる飛躍に資するとともに、オリンパスの株主価値の最大化につながるものと判断し、情報通信事業の譲渡を実施することとした。
オリンパスは今回、中期ビジョンの戦略遂行の一環として、非事業ドメインである情報通信事業の売却を決定したが、今後も非事業ドメインの見極め・整理を積極的に実施し、医療事業をはじめとする事業ドメインへ経営資源を戦略的に投下するとともに、中期ビジョンで掲げたコスト構造の見直し、財務の健全化、ガバナンスの再構築等の戦略遂行を加速し、更なる企業価値の創造を目指していく。
なお、今回の事業譲渡の譲渡価額は530億円であり、2013年3月期第2四半期連結決算において特別利益の計上が見込まれるが、譲渡完了まで譲渡資産等の精査が必要であり、現時点で業績への影響額は未確定だという。オリンパスは「確定次第、速やかにお知らせする」としている。
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