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三菱商事、北米市場で商業用不動産担保ローン証券の組成事業に参入
三菱商事は26日、北米市場における商業用不動産担保ローン証券(CMBS)の組成事業に参入すると発表した。
北米でアセットマネジメント事業を展開する三菱商事の子会社MC Asset Management Holdings, LLC(MCAMH)と、同じく北米において不動産デット投資分野で卓越した実力を有するFive Mile Capital Partners LLC(FMC)が、MC-FMC Commercial Real Estate Finance Management LLC(MC-FMC)を折半出資で新たに設立し、信用力の高い商業用不動産担保シニアローンの引受け及び証券化事業を行う。MC-FMCは毎年10億ドル以上の規模でCMBSを継続的に組成し、北米CMBS市場における確固たる地位の確立を目指す。
北米では、投資家の運用資金と不動産市場を繋ぐ重要な手法として、不動産投資信託(REIT)と並んで商業用不動産担保ローンを証券化したCMBSが伝統的に活用されてきた。しかし、金融危機発生後、証券化の担い手であった多くの金融機関が市場から相次いで撤退し、投資家の投資意欲も一旦減退したことから、CMBS発行額は大きく減少。一方、市場安定化後は、より保守的なレンダーが堅実なレバレッジで安全な設計を用いて証券化を行い、需要面においても機関投資家が安定運用を行う目的でCMBS投資を再開していること等を背景に、CMBS発行額は順調に回復している。
しかし、今後数年の間に、過去(特に2005年~2007年)に発行されたCMBSは償還期限を迎える一方で、金融機関への規制強化(バーゼルⅢやボルカールール等)により、既存レンダーだけでは借り換え需要を埋め切れない見通しとなっている。このような状況下、金融機関に代わる新たな資金の出し手の市場参加が強く待望されていた。
今回三菱商事は、この機会を捉え、MCAMHを通じて北米CMBS組成事業に参画し、機関投資家の安定的な運用ニーズに応えるために、良質の実物資産を裏付とした証券化商品の組成を行い、北米市場において不動産市場と機関投資家とを繋ぐ「金融仲介機能」を発揮していくことで、アセットマネジメント分野における新たな事業アプローチの構築を進めていく。
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