世界の主要経済指標(分析と市場の反応)7月17日分

2012年7月18日 10:35

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

【7月17日の主要経済指標と市場の反応】

■17日の世界の主要株式市場は高安まちまち、外国為替市場は小動き」

  17日の世界の主要株式市場は高安まちまちだった。バーナンキ米FRB議長の議会証言を控えて様子見ムードも強めた。同議長の証言後、米国市場は上昇した。外国為替市場は概ね小動きだった。

≪17日 日本≫

  日本市場では主要経済指標の発表がなく、バーナンキ米FRB議長の議会証言を控えて様子見ムードも強い中、日経平均株価が続伸した一方で、TOPIXは8営業日続落となった。小売など内需が堅調だった一方で、電機・精密など輸出関連の主力銘柄の下落が目立った。

≪17日 アジア・オセアニア≫

  中国国務省が発表した1~6月の対中国直接投資額は前年同期比3.0%減少の591億ドルだった。中国経済の減速懸念で中国に流入する資金が減少した。日本からの投資額は同16.9%増加した。一方、1~6月の中国から海外への直接投資額は同48.2%増加の354億ドルだった。

  アジアの主要株式市場は概ね上昇した。中国の預金準備率引き下げ期待などで香港は大幅上昇した。中国の国家発展改革委員会が、下期の鉄道インフラ投資が上期の2倍になる可能性を指摘したことも支援材料だった。

≪17日 ユーロ圏≫

  英6月消費者物価指数は前月比0.4%低下、前年同月比2.4%上昇となり、市場予想を下回った。前年同月比では09年11月以来の低い伸び率となった。5月は前月比0.1%低下、前年同月比2.8%上昇だった。

  独7月ZEW景況感期待指数はマイナス19.6となった。6月のマイナス16.9に比べて一段と悪化したが、市場予想を上回った。またユーロ圏7月ZEW景況感期待指数はマイナス22.3となり、6月のマイナス20.1に比べて悪化した。

  欧州自動車工業会が発表した欧州6月主要18カ国新車(乗用車)販売台数は前年同月比2%減少の118.2万台で、9カ月連続の減少となった。

  スペイン短期債(Tビル)入札では合計35.6億ユーロを調達した。利回りは低下したが、依然として高水準のため楽観的な見方は広がっていない。なおユーログループは、スペインの銀行支援問題に関して20日に財務相電話会合を開催することを明らかにした。

  欧州の株式市場は高安まちまちとなった。バーナンキ米FRB議長の議会証言を控えて様子見ムードを強めた。ドイツは上昇し、イギリス、フランスは下落した。外国為替市場は概ね小動きだった。

≪17日 米国≫

  米6月消費者物価指数は前月比横ばい、前年同月比1.7%上昇となり、市場予想とほぼ同水準だった。食品・エネルギー除くコア指数は前月比0.2%上昇となり、市場予想とほぼ同水準だった。食品が上昇したが、ガソリンが下落した。5月は前月比0.3%下落、前年同月比1.7%上昇、コア指数は前月比0.2%上昇だった。米FRBによる追加緩和余地が広がったとの見方が優勢の模様である。

  米6月鉱工業生産指数は前月比0.4%上昇で、5月改定値の同0.2%低下(同0.1%低下から下方修正)に比べて改善し、市場予想を上回った。製造業が前月比0.7%上昇となり、5月の0.7%低下に比べて改善した。ただし第2四半期(4~6月)で見れば、第1四半期(1~3月)に比べて伸びが鈍化したため、景気減速を警戒する見方が優勢のようだ。なお6月設備稼働率は78.9%で、5月改定値の78.7%(79.0%から下方修正)に比べて上昇したが、市場予想を下回った。

  米7月NAHB(全米住宅建設業者協会)住宅建設業者指数は35となり、6月の29に比べて大幅上昇し、市場予想を上回った。分岐点となる50を依然として割り込んでいるが、07年3月以来の高水準となり、住宅市場が好転していることが確認できたとの見方が優勢のようだ。

  カナダ銀行(中央銀行)は、政策金利を現行の1.00%に据え置くことを決定した。

  米国株式市場は、バーナンキ米FRB議長の議会証言を巡って売り買いが交錯して乱高下したが、量的緩和策第3弾(QE3)に対する期待感が優勢となり、上昇して取引を終了した。バーナンキ米FRB議長が冒頭発言で追加緩和について踏み込んだ具体策に言及しなかったことなどで下落に転じる場面があり、同議長が「適切な追加措置を講じる用意がある」と強調したため量的緩和策第3弾(QE3)に対する期待感が高まり上昇に転じた。米金融大手ゴールドマン・サックスの1株利益が市場予想を上回ったことも支援材料だった。外国為替市場は小動きだったが、バーナンキ米FRB議長の議会証言後はドル買いがやや優勢だった。

  なお取引終了後に、米インテルが4~6月期決算を発表した。売上高は前年同期比4%増加、純利益は同4%減少の増収減益だったが、1株利益は市場予想を上回った。また12年の売上高見通しを下方修正した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【今、この銘柄】割安水準のOBARA、半導体関連回復で先回り買い(2012/07/18)
関西ペイントは戻り売り厚いが四半期好調と伝えられ期待広がる(2012/07/18)
【特集】小売(家電量販店):特需反動減で厳しいが収益改善期待(2012/05/05)
ネッ上で繰り広げる投資家目線の『Media-IRフェア』がスタート!!(2012/07/13)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事