【建設機械関連株展望(1)】欧州・中国停滞、北米と国内好調、国内リースも繁忙

2012年6月11日 09:22

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■欧州・中国停滞、北米と国内好調、国内リースも繁忙

【概観】国内の復興、防災関連等が有望

  建設機械・鉱山機械の関連セクターについては、国内市場では、東日本大震災からの復興需要が本格化することに加えて、老朽化した社会インフラ設備の更新・防災・耐震化関連の需要が期待される。

  また海外市場では、北米、中南米、東南アジア、オセアニアなどで、資源・エネルギー開発関連の需要が旺盛な模様である。

  中国市場や欧州市場での減速が弱材料視されているようだが、その他の市場での旺盛な需要が追い風となって、主要各社の12年度の業績は概ね好調な見通しとなっている。

  日本建設機械工業会の建設機械出荷金額統計によると、11年度の建設機械出荷額は内需が前年度比29.8%増加の6631億円、外需が同16.2%増加の1兆6873億円、総合計が同19.7%増加の2兆3504億円となった。内需、外需、総合計ともに2年連続の増加で、総合計ベースでは07年度に次いで過去2番目の高水準だった。外需を地域別に見ると、全9地域のうち中国を除く8地域で増加した。

【機種別状況】コンクリート機械、トンネル機械も堅調

  機種別の状況を見ると、油圧ショベルは、内需が同42.8%増の1970億円、外需が同16.1%増加の7607億円となった。ミニショベルは、内需が同35.7%増加の576億円、外需が同25.0%増加の1243億円となった。トラクタは、内需が同21.3%増加の672億円、外需が同28.3%増加の2384億円となった。建設用クレーンは、内需が同28.3%増加の1066億円、外需が同18.3%増加の751億円となった。道路機械は、内需が同11.9%増加の265億円、外需が同12.7%増加の313億円となった。またコンクリート機械、トンネル機械、基礎機械、その他建設機械、補給部品も増加した。

  また単月ベースで見ると、12年3月の内需は前年同月比62.8%増加の872億円、外需は同28.1%増加の1858億円、総合計は同37.5%増加の2730億円となった。内需は12カ月連続の増加、外需は27カ月連続の増加、総合計は27カ月連続の増加となり、好調を維持している。

【地域別状況】北米、日本市場が2ケタ伸長、中国は減速鮮明

  12年度の需要見通しについては、コマツ(東証1部6301)の12年度の建設機械・鉱山機械の市場別需要見通しで見ると、日本市場が前年度比5%~10%増加、北米市場が同10%~15%増加、欧州市場が前年度並み(同0%~5%増加)、中国市場が前年度並み(同0%~5%増加)、その他の市場(東南アジア、中南米、インド、アフリカ、中近東、CIS、オセアニア)が同5%~10%増加としている。

  中国市場に関しては、11年は中国政府の金融引き締め策や高速鉄道事故の影響などで社会インフラ投資が抑制され、建設機械需要が大きく減速した。このため現地メーカーとの販売競争も激化した。ただし最近では、金融緩和策への転換や、景気刺激策としての大規模な社会インフラ関連投資に対する期待感も高まっている。

  5月29日には、中国国営通信の新華社が「中国政府は08年のような大規模な景気刺激策(4兆元規模)を導入する計画はない」と報じたが、温家宝首相は景気刺激策を断続的に実行する姿勢も示しており、エネルギー効率の高い家電製品購入に対する補助金などの対策を発表している。社会インフラ関連投資も期待されるため、12年に需要が底打ちして回復に向かえばプラス要因となるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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