関連記事
第一カッター興業:東京証券会館で12年6月期第2四半期決算説明会を開催
■代表取締役社長広瀬俊一氏 同社の概要、第2四半期決算概要について語る
第一カッター興業 <1716> (JQS)は2月29日、東京証券会館で12年6月期第2四半期決算説明会を開催した。
代表取締役社長広瀬俊一氏は、同社の概要、第2四半期決算概要について語った。
「当社の設立は昭和42年8月で、神奈川県茅ヶ崎市で操業を始め、以来本社を茅ヶ崎市において、ダイヤモンド工法及びウォータージェット工法を用いた事業とビルメンテナンス事業を行っております。ダイヤモンド工法はほとんどが建設に関わる事業であります。ウォータージェット工法は建設だけでなく、工場のメインテナンスにも関わる事業でございます。また、ビルメンテナンス事業は、主にマンション等の排水管清掃作業を中心とした事業を展開しています。当社の決算月は6月となっており、資本金は4億7030万円です。従業員数は、310名でございます」と同社の概要を紹介した。
■コンクリートの切断、及び穴あけ工事を行うダイヤモンド工法
事業内容については、「ダイヤモンド工法事業は、工業ダイヤをちりばめたダイヤモンド工具を使用して、コンクリートの切断、及び穴あけ工事を行っています。ダイヤモンド工法は、騒音・振動・粉塵などが少なく、安全性・効率性・経済性に優れた環境に優しい工法です。アスファルトや、コンクリート構造物の解体、撤去には必要不可欠となっています。ダイヤモンド工法の主なものは、フラットソーイング工事、ウォールソーイング工事、ワイヤーソーイング工事、コアドリリング工事などがあります」と主力のダイヤモンド工法について語った。
■斫る、洗う、剥す、削る工事を行うウォータージェット工法
「ウォータージェット工法事業は、ジェット水流を利用して切る、斫る、洗う、剥す、削る等の多彩な機能をこなす画期的な工法でございます。この工法は機械の先端に、直径0.1から0.6ミリのノズルを取り付け、このノズルの先よりマッハ2から3の速さで水を噴射します。当社は日本でも数少ない超超高圧ジェットマシーンを所有し、従来水圧ジェットでは不可能であった高分子化合物の除去、休工期間の短縮を実現し、化学工場、石油プラント、発電所など建設業者以外のクライアントの拡大を図っています。ウォータージェット工法の主な工事は、斫り工事、表明処理剥離工事、洗浄工事、切断工事などがございます」とウォータージェット工法事業でも特別な超超高圧ジェットマシーンを使ったサービスを提供している。
■ビルメンテナンス事業では、環境衛生、管理業務を中心に事業展開
次にビルメンテナンス事業については、「様々な事業がございますけれども当社はその中でも、環境衛生、管理業務を中心に事業を展開しております。ビルメンテナンス業界の洗浄分野には、一般的に低圧のウォータージェットを使用するのが常識ですが、当社のように超高圧ウォータージェット装置や、温水洗浄装置を所有している業者は限られています。更に24時間緊急対応等で、他社との差別化を図っています。主要作業は、配水管清掃作業、貯水槽清掃作業、ピット清掃作業、空調設備清掃作業などがございます」とビルメンテナンス事業でも他社との差別化を図っていることを紹介。
■昭和44年札幌を皮切りに各地に営業所を開設
事業所については、「昭和44年札幌を皮切りに、千葉、栃木、水戸、高崎に営業所を開設いたしました。その後しばらくは組織の確立と営業品目の充実を図ってまいりました。次の展開といたしましては、平成8年に東京、翌9年に埼玉に営業所を開設。平成14年にはウォータージェット事業部を開設し、翌平成15年には仙台、平成21年には北陸営業所とビルメンテナンス事業部を開設しました。またグループ会社としまして、平成19年名古屋のウォールカッティング工業を子会社に、翌20年には、福岡のダイヤモンド機工を持分法適用会社とし、翌21年には愛媛県の光明工事を子会社にし、そして平成22年の7月には沖縄県に新伸興業を設立しました」と事業規模拡大の概要を説明した。
上半期の主な工事実績は、ダイヤモンド工法の公共工事では、上野駅エレベータ設置工事を始め、目白駅ホーム柵設置工事、福岡空港滑走路中心線灯改良工事、北海道の網走川護岸保護工事、東名高速道路集中工事、仙台空港道路及び駐車場復旧工事など。民間工事では、大宮ソニックシティエレベータ改修工事を始め、麻布十番解体工事、三井住友銀行大手町本部ビル解体工事、某仙台製油所災害復旧工事、某塗料メーカー鹿島工場災害復旧工事、某食品メーカー栃木工場新築工事等が挙げられる。
ウォータージェット工法の公共工事では、横浜市営地下鉄既設沓交換はつり工事、第二東名金谷トンネル洗浄工事、中央自動車道天竜川橋支承補修工事、北陸新幹線信州中野地区はつり工事、荒川湾岸橋耐震補強はつり工事、三陸自動車道多賀城高架橋災害復旧はつり工事等、民間工事では、某セメントメーカーケール除去作業、某科学工場定期補修作業、某鉄鋼メーカー蒸留塔洗浄作業、某廃油処理工場廃油タンク撤去工事に伴う金属切断作業、某製油工場タンク洗浄作業、某製紙メーカー排水ピット洗浄作業等がある。
■今第2四半期連結業積は増収大幅増益、過去5年間で最高の売上を達成
12年6月期第2四半期連結業積は、2月13日に発表しているように、売上高39億93百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益3億7百万円(同43.7%増)、経常利益3億32百万円(同63.7%増)、純利益2億11百万円(同97.1%増)と増収大幅増益を達成している。
今期を含む過去5年の第2四半期の売上高を振り返ると、08年34億92百万円、09年36億56百万円、10年31億31百万円、11年37億92百万円であることから、今第2四半期は過去5年間で最高の売上を達成したことになる。
バランスシートの資産合計は、58億12百万円(前期末比5.8%増)となっている。内訳は、流動資産36億41百万円(同11.4%増)、固定資産21億71百万円(同2.4%減)。
負債の合計は、14億46百万円(同11.1%増)。内訳は、流動負債9億30百万円(同22.0%増)、固定負債5億15百万円(同4.5%減)。
純資産合計は、43億66百万円(同4.2%増)。主な増加要因は業績が好調であることから、利益剰余金が35億6百万円(同5.5%増)と増えたことによる。自己資本比率については、74.3%と健全そのもの。
■重点項目は、既存事業の追求、機会の追求、新規事業の3項目
第2四半期の決算概要に続き、取締役営業本部長の高橋正光氏より、今後の展望についての説明が行われた。
「下期の展開につきましては、期初からあげている重点項目に変更はありません。重点項目は、既存事業の追求、機会の追求、新規事業でございます。3項目について、当社の取組み方をご説明します。まず、既存事業につきましては、顧客数を増やすことを第一に考え、営業を強化しております。公共事業が年々減少し、限られている市場の中で、同業他社との競争に勝ち抜いていかなければなりません。そのために、カタログの刷新、営業の管理、受注体制の強化を徹底し、同業者との差別化を図っています。ちなみに、上半期の新規の顧客数は955社となり、前年同期比8.5%のアップとなっています。次に、分野毎の組織的な営業についてご説明します。港湾、鉄道、橋梁、高速道路、電力に分け、それぞれ適切な人員を配置し、組織的な営業を図って参ります。港湾は、国際バルク戦略や国際コンテナ戦略に基づいて、また、緊急時の物資輸送の観点から港の改修、耐震工事を見込んでいます。同じ港湾でも港ということで、空港も同じ部類に入れています。空港の方も物資輸送の観点から今、耐振工事が入っています。鉄道に関しては、特に東北地方において、新幹線をご覧になって分かりますように、一時的に開通はしておりますけれども補修をする箇所が多くあります。橋梁の方は、国の方が指示しています橋の長寿命化対策に基づいて、維持・補修工事が出ていますので、これも見込んでいます。高速道路のほうでは、首都高で開通後40年を経過したところが全長の中で約90キロメートル、全体の約3割を占めておりまして、未補修の箇所も9万6,000箇所あるといわれています。また、先日1兆円をかけて徹底的に改修するとの発表がありました。東名高速道路でも新東名の方が御殿場、三ケ日間が開通しますと現在の東名高速道路の架け替えと、徹底的な工事をすると予想しています。電力では、16ヶ所、54基ある原子力発電所の補修、そして166ヶ所ある火力発電所の改修、1,250ヵ所ある水力発電所、そして送電線の鉄塔の基礎補修に携わっております。中でも、原子力発電所では、防潮堤、津波対策、そして水力では、震災後の自然エネルギー会議に向けた更新工事と台風12号で被害を受けた補修工事にターゲットを置いております。本日の日経新聞でも、北海道電力では、水力発電の更新を行うことによって、全体の発電量を大幅に上げているという記事もありました。こちらもターゲットになっています。我々は作る仕事を中心にしている建設業、中でも作り変える時代から、維持・補修の時代へ本格的にスイッチしていく時流に、これに騒音、粉塵、振動の少ないダイヤモンド工法とウォータージェット工法を扱っていますので、追風だと思っています。よって、当社は更なる発展を目指してまいります」と事業環境が良好である。
■新たな市場は、電力分野における送電線の鉄塔補強工事
機会の追求に関しては、当社があげています、「切る」「はつる」「削る」「洗う」「剥がす」の5つのキーワードを、新しい客層、地域、市場にあるであろうことを前提に検討を重ねていくことが重要だと考えています。既存事業から派生した新たな市場といたしましては、先に述べました電力分野における送電線の鉄塔補強工事が挙げられます。
一番目としまして、小口径杭、こちらは東京電力(株)殿との共同特許により、大型の機材が搬入できないような山間部の送電線鉄塔基礎の補強にフォーミングコアが採用されています。手運びが可能な機材を用いて、コンクリートだけではなく、土砂部や岩盤部を窄孔し、補強類を構築する工法です。
二番目としては、円筒ディッチ工法があります。同じく東京電力(株)殿と共同にて実用新案を取得し、平野部の鉄塔基礎の補強に、当社の円筒ディチ工法が採用されています。これは補強鉄筋を挿入する際に、ダイヤモンドコアにて窄孔した穴へ別途溝を設けることで、補強鉄筋の引き抜き強度を高める工法です。どちらも東京電力(株)殿の管内での受注ですが、他の電力会社への営業展開も今後図っていく予定です。
■ビルメンテナンス事業は順調に推移
三番目と致しまして、ビルメンテナンス事業です。10年より事業展開したこの事業ですが、当初1,800万円でした売上の方も、11年には5,400万円、今期の上半期では3,900万円と順調に推移しています。取引顧客数もそうですが、大手管理会社との地域取引が増えていまして、4月新年度からの管理会社内における業者エリアの見直しにおいて、大幅に受託個数の増加が見込めています。同時に従業員教育も徹底をし、洗浄技術だけではなく、サービス業としての質の向上に努め、お褒めの言葉や、業者指名を多く受けるなど成長してきています。今後は、人工も密集し、高層マンションも多い首都圏をM&Aを含め強化してまいりたいと思っています。
■震災復興関連事業は、応急から復興へとステージが変化
四番目といたしまして、震災復興関連です。震災復興を機会の追求にいれるのは不謹慎で、不埒なところもあるかもしれませんが、復興に対する社会貢献と捉えていただきたいと思います。復旧と復興を分けて考えますと、震災直後には、生産再開を急ぐ民間企業を中心とした復旧工事、ライフラインの復旧工事、幹線道路の復旧工事等がありました。それがある程度落ち着いてきました現在は、橋や道路の計画的な補修工事が発注されています。復興では、ガレキ処理がクローズアップされましたが、やはり幹線道路やライフラインの復旧、それから耐震補強が計画的に出ています。まさに、応急から復興へとステージが変化しており、宮城県での復興事業予算は9,048億円、岩手県では4,652億円が計上されております。幹線道路、港湾施設、下水道施設等の復旧、耐震において、当社がお役に立てる場面がくると考えており、仙台営業所に営業職2名を増員しました。また、当社のウォータージェット・ブラスト技術を利用した除染工事のほうも引き合いが来ています。最後に、全国展開が挙げられます。関西中国地方への進出に関しましては、引き続き調査を行っています。沖縄県では、沖縄自動車道での耐震補強工事、那覇空港滑走路1号、嘉手納基地補修工事に携わり、順調に推移しています。また、滑走路を中心としたメインテナンスも展開してまいります。また、国内だけでなく、海外進出の準備も同時に行っています。こちらに関しては、欧米、東南アジア共に市場調査を継続しています。新規事業として、ブラスト工事をあげます。ブラスト工事は、建築での床下地工事、土木、耐振分野での表面処理工事の方は順調に推移しております。また、橋の長寿命対策に伴う鋼構造物の塗膜剥離は発注者側の塗装グレードにばらつきがあるため、剥離市場も現在一元化されていませんが、研究開発のほうは継続しております。次に、プラチナコンクリートフロアーがあります。プラチナコンクリートフロアーのほうは、設計に仕様として組み込まなければならないためにスーパー等、商業施設や倉庫でも対応を目指し、設計者に営業を積極的に展開しております。また、展示会にも出展し、施設様にもピーアールできるように励んでいます」。
■今12年6月期連結業績予想は増収大幅増益を見込む
今12年6月期連結業績予想は、売上高75億80百万円(前期比4.4%増)、営業利益3億98百万円(同95.0%増)、営業利益4億25百万円(同88.1%増)、純利益2億70百万円(同119.4%増)と増収大幅増益を見込んでいる。
しかし、第2四半期の進捗率は、売上高52.6%、営業利益77.1%、経常利益78.1%、純利益78.1%であることから、利益面での上方修正は大いに期待できる。
決算説明の後で、復興関連のピークはいつ来るのかという質問に対しては、「復興の方は、国では長くて10年を目途として考えていらっしゃるようです。雰囲気としては、5年以内にはピークを迎えるであろうと考えています」(高橋正光本部長)と答えていることから、今後復興関連の売上の拡大が予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・半導体・液晶・太陽電池の製造装置関連銘柄特集(2)(2012/02/24)
・半導体・液晶・太陽電池の製造装置関連銘柄特集(1)(2012/02/24)
・犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2012/02/02)
・株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2012/02/02)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク