外食産業の倒産、11月末時点で年間最多件数を更新 「居酒屋」がトップ

2011年12月12日 18:35

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外食産業の倒産の推移(画像:帝国データバンク)

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 帝国データバンクが12日に発表した「外食産業の倒産動向調査」によると、2011年1~11月の外食産業の倒産は前年同期比11.9%増の648件発生し、件数比較が可能な2000年以降で最多だった2009年(646件)を上回り、年間最多件数を更新したことがわかった。

 主因別にみると、売上不振、業界不振などを主因とする「不況型」が563件発生。構成比は86.9%と、2010年に続き80%を超える高水準となった。店舗賃料や積極的な出店・改装などにともなう借入金のほか、広告宣伝費、人件費などが大きく負担となり倒産するケースが多いという。また、東日本大震災の影響を直接・間接的に受けたことによる「震災関連倒産」は3~11月の9ヵ月間で14件判明している。

 業態別では、震災後の自粛ムードのなか、宴会客の減少などが影響した「居酒屋」が約3割を占めトップ。また、回転寿司や宅配寿司といったチェーン店などと競合が激しい「すし店」、大手コーヒーショップやファストフード店などと競合する「喫茶店」は、それぞれ年間最多件数を更新している。「中華料理店」も最多を更新する勢いで推移している。

 地域別では「近畿」がトップとなり、「関東」と合わせてこの2地域で全体の7割を占めている。規模別は負債50億円以上の大型倒産の発生はなく、同5000万円未満の零細業者が8割となっている。一方、負債50億円以上の大型倒産は11月末までに1件も発生しておらず、このままで推移すれば年間で初めての未発生となるという。

 外食を除いた全業種の倒産が前年同期比2.7%の減少で推移しているのとは対照的に、外食産業の倒産はリーマン・ショック以降の売上不振の影響が長期化し、増加基調での推移が続いている。一方、負債総額は380億8300万円と、大型倒産の減少により低水準にとどまった。このままのペースで推移すれば、2011年は年間最小にとどまる可能性が高いという。

 「不況や震災による消費低迷が続くなか、震災後の原発事故による食材への放射性物質汚染の影響も尾を引いている。また、2011年は小麦粉や食用油などの原材料価格も値上げされ、値上げをメニュー価格に転嫁できていない企業は多い。消費者の外食離れがこのまま続けば、外食産業の倒産は今後も増加基調で推移する可能性が高い」と帝国データバンクはコメントしている。


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