東映アニメーション:第2四半期決算を発表、野村証券本社で説明会を開催

2011年11月1日 18:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■ワンピースの根強い人気により、第2四半期としては過去最高の成績

  東映アニメーション <4816> は、27日に今12年3月期第2四半期決算を発表し、翌28日、野村証券本社で説明会を開催した。

  同社の代表取締役社長 高橋 浩氏は、第2四半期決算概要、通期業績予想の修正、中長期的な成長策について語った。

  第2四半期連結業績は、売上高162億76百万円(前年同期比46.1%増)、営業利益26億93百万円(同85.5%増)、経常利益28億84百万円(同76.3%増)、純利益17億49百万円(同75.8%増)と大幅増収増益を達成した。

  大幅増収増益について「ワンピースの根強い人気により、キャラクター商品は元より、DVDや各地のテーマパークでの大型催事等が好調であったことなどを受け、第2四半期としては過去最高の成績となりました。また、半期としても過去最高売上を達成しました」(高橋社長)と今第2四半期の好業績であった要因を説明した。

  セグメント別の売上高、営業利益は、映像制作・販売事業51億94百万円(前年同期比35.9%増)、5億71百万円(前年同期は△29百万円)、版権事業51億36百万円(前年同期比27.0%増)、23億3百万円(同26.5%増)、商品販売事業41億72百万円(同42.2%増)、2億72百万円(同2.28倍)、イベント事業17億86百万円(同4.98倍)、1億45百万円(同54.9%増)。

  映像制作・販売事業の部門別売上高は、劇場アニメ3億67百万円(同12.0%減)、テレビアニメ11億88百万円(同13.8%増)、コンテンツ事業14億45百万円(同42.5%増)、海外映像12億71百万円(同66.1%増)、その他9億21百万円(同58.4%増)と劇場アニメが減少であったが、その他部門の事業は大幅増収となった。

  版権事業の地域別売上高は、国内版権47億36百万円(同30.7%増)、海外版権3億99百万円(同4.9%減)。

  国内事業と海外事業の売上高は、国内146億38百万円(同48.8%増)、海外16億51百万円(同24.8%増)と共に伸びている。全体の売上比率は、国内90%、海外10%と国内の比率が断トツに大きい。

■通期連結業績予想は、前回の修正予想をさらに上方修正

  通期連結業績予想は、第2四半期業績が大幅増収増益を達成したことから、前回の修正予想をさらに上方修正している。売上高は前回予想242億円を290億円、営業利益31億円を40億円、経常利益34億円を42億円、純利益は20億円を25億円とそれぞれ上方修正している。

  セグメント別でみると、映像制作・販売事業は90億円から94億円、版権事業は72億円から90億円、商品販売・イベント事業80億円から106億円へとそれぞれ修正している。

  中長期的な成長を目指すための施策としては、基盤であるテレビ用アニメーションの好調維持、テレビラインナップの強化、ライブラリの運用強化の3点を挙げている。更に今後の成長を実現するための投資として、オリジナル映画事業、CG作品の企画・製作、海外事業の強化、配信事業の強化、新たな試みの5つの部門への投資を行うとしている。「依然として厳しい業界環境下、テレビ作品やライブラリを活用した二次利用ビジネスによって安定的に収益を確保し、市場の拡大・成長が期待できる映画事業や海外向け作品等への投資を積極的に行うことで、次のヒット作品の創出を目指します」(高橋社長)と今後の成長へ向けての考えを示した。

  テレビライナップの強化については、日曜日朝の激戦区で人気を確保している。テレビ朝日系列では、6時30分より7時まで、「デジモンクロスウォーズ」、8時30分から9時までは「スイートプリキュア♪」、フジテレビの9時から9時30分は「トリコ」、9時30分から10時までは「ワンピース」と同社製作の番組がズラリと並んでいる。

  オリジナル映画事業については、既に、「プリキュア」「ワンピース」等の人気テレビ番組から派生した劇場作品を中心に映画事業を展開しているが、テレビからのヒット作を生み出すだけでなく、劇場からも新しい作品を展開していく方針である。すでに複数の映画の企画・製作が進行中であるが、その中でも「虹色ほたる」が近々上映される予定である。

■新作CG映画として「聖闘士星矢」の製作が決定

  CG作品の企画・制作に関しては、世界市場でCG作品が大きなシェアを形成しているため、同社でも、社内のCGスタッフの拡充と技術修練に努める一方で、外部の有力スタジオとのコラボレーションも行っている。同社のCG技術の事例としては、「プリキュアオールスターズDX3Dシアター」「ONE PIECE 3D激走!トラップコースター」がイベント限定で発表されている。また、新作CG映画として「聖闘士星矢」の製作が決定している。

  海外事業については、11年2月に経営戦略本部内に「海外ライセンス事業部」「海外戦略推進部」を設置し、海外事業の再構築を行い、新規事業の開発を推進している。海外展開を前提として、劇場版「一休さん」を日中共同で製作し、12年に中国全土で公開する予定。また、6月10日から11日に開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)で「SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK」の製作発表を行っている。

  北米では、「ワンピース」「トリコ」「ドラゴンボール改」の最新エピソードをネット配信している。更に、今年4月に聖闘士星矢のTシャツを中国で販売している。

  配信事業の強化策としては、これまで映像配信、着信メロディ、壁紙等を行っているが、新規事業として、ソーシャルゲーム、SNS事業を展開していく。既に、ディー・エヌ・エーと連携し、「モバゲー」向けに保有コンテンツをソーシャルゲーム化している。「スラムダンクforモバゲー」の会員数は100万人を突破するなど、人気は高まっている。そのほかの新しい試みとしては、新しいプロジェクトとして「京騒戯画」がある。今年12月にプレミアム先行上映が決定しており、「電撃マ王」でのコミック版「京騒戯画」の連載が今秋より開始される予定。

  配当については、前期は、過去最高の売上高を記録したことから普通配当20円に、特別配当30円を加え、期末配当は50円であった。今期の期末配当については普通配当として30円を予定しており、前期の普通配当に比べ実質10円の増配となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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