トヨタ、介護・医療支援向けパートナーロボットを開発 2013年以降に実用化へ

2011年11月1日 14:10

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自立歩行アシスト(画像提供:トヨタ自動車)

自立歩行アシスト(画像提供:トヨタ自動車)[写真拡大]

  • 歩行練習アシスト(画像提供:トヨタ自動車)
  • バランス練習アシスト(画像提供:トヨタ自動車)
  • 移乗ケアアシスト(画像提供:トヨタ自動車)

 トヨタ自動車は1日、現在開発を進めている人の活動をサポートする「トヨタ・パートナーロボット」の一つとして、「介護・医療支援向け」の新たなロボットを開発したと発表した。

 トヨタは、すべての人が明るく楽しく生活できる社会の実現に貢献することを目指して企業活動に取り組んでおり、2007年には「パートナーロボット」開発ビジョンを発表し、人の活動をサポートすることによる新しいライフスタイルの提案として「パートナーロボット」の開発を進めている。

 「トヨタ・パートナーロボット」が社会に役立つフィールドとしては、「介護・医療支援」、「パーソナル移動支援」、「製造・ものづくり支援」、「家事支援」の4つの領域を考えており、技術開発においては、工場での重い部品の搭載・移動を容易にアシストする装置のような「人と協調する技術」、自律して動く「自動技術」、「道具を使う技術」などを念頭に取り組んでいる。

 今回は、「介護・医療支援」を目的として開発した4種類のロボットを公表した。4種類は、下肢麻痺などで歩行が不自由な方の自立歩行支援を目的に開発した「自立歩行アシスト」、「自立歩行アシスト」の技術を応用した歩行練習用の装置として開発した「歩行練習アシスト」、バランス確保が不自由な方のバランス機能練習の支援を目的に開発した「バランス練習アシスト」、大きな力を必要とし体力的負担の大きい、移乗のための介護の負担軽減を目的に開発した「移乗ケアアシスト」。

 4種類のうちいずれのロボットも、トヨタがこれまでの技術開発の中で培ってきた高速・高精度なモーター制御技術、2足歩行ロボット開発で進めてきた安定性の高い歩行制御技術やセンサー技術(使用する人の姿勢や、つかんだり挟んだりする力を感知)など、先進的な要素技術を取り入れている。

 介護・医療の現場においては、病気・ケガなどで体の不自由な人や高齢者の自立生活、および自立するためのトレーニングの支援、介護する側の体力的負担の軽減、といった面でロボットへのニーズが高いという現状を踏まえ、すべての人に移動の自由を提案するという観点から、トヨタ記念病院など医療や介護の専門機関と連携して重点的に取り組んできた。

 これらの「介護・医療支援向けパートナーロボット」の開発は、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同で進めており、専門医療機関でのニーズをパートナーロボットの設計にフィードバックしている。

 今後も、幅広い介護・医療機関の協力のもと、実証実験などを通じて、現場の意見やアドバイスを集め、2013年以降の実用化を目指して開発を加速させていく。なお、「介護・医療支援」以外の領域においても、「パーソナル移動支援」は商業施設での実証実験、「製造・ものづくり支援」は自動車製造工程での実用稼動を行っており、「家事支援」についても研究開発を進めている。

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