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震災死亡者の60%が避難場所から再び危険地域へ移動 ウェザーニュース調査
ウェザーニューズは、今村文彦教授(東北大学災害制御研究センター長)、矢守克也教授(京都大学防災研究所)と共同で、東日本大震災の津波災害において、生存者と死亡者との間にどのような行動・判断の違いが存在するのかを調べ、今後の減災・避難活動における対策・対処の一助とすることを目的として調査を行い、8日、その調査結果を発表した。
調査期間は2011年5月18日(水)~6月12日(日)。回答者は、北海道・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県の1道6県の被災者で、回答数は、合計5296件(自身の状況についての3298件と死亡者に関する1998件)。同社で展開するインターネットサイトおよび携帯サイト「ウェザーニュース」、スマートフォンアプリケーション「ウェザーニュースタッチ」の利用者を対象に調査を実施した。
調査結果によると、震災死亡者の60%が避難場所から再び危険地域へ移動したことや、生存者が避難した先の高さは平均2.9階(死亡者は平均1.7階)だったことなどが判明した。
調査項目と結果分析は以下のとおり。
1.地震発生から避難開始までの時間について
― 生存者は平均19分
― 亡くなった方は平均21分
2.避難開始のきっかけについて
― 地震発生後すぐに避難できた方は、生存者でもわずか28%
― 最も多いきっかけは、大津波警報/津波警報の発表
3.避難行動の有無について
― 亡くなった方の5人に1人が避難できず
― 避難しなかった理由で多いのは「安全だと思っていた」
4.向かった避難場所について①
― 生存者は4人に3人が安全な場所に避難
― 亡くなった方は4人に3人が安全な場所に避難できず
5.向かった避難場所について②
― 避難した方の40%は高台に避難できず
― 約半数が指定された場所以外に避難
6.なぜ津波から逃げきる事ができなかったか
― 亡くなった方の18%が避難中に障害に遭遇
7.津波から避難した高さについて
― 生存者が避難した先は平均2.9階
― 亡くなった方が避難した先は平均1.7階
8.避難先からの移動について
― 亡くなった方の60%が避難場所から再び危険地域へ
9.避難場所から再び危険地域へ行く理由について
― 「家族を探しに」が最多
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