準大手消費者金融のSFコーポレーションが破産、負債1897億円

2011年8月27日 23:06

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 消費者向け貸金業、準大手消費者金融のSFコーポレーション(旧三和ファイナンス株式会社、平成20年10月に商号変更)は26日、東京地方裁判所に自己破産を申請し、東京地方裁判所民事第20部において、破産手続開始決定を受けたと発表した。これにより、SFコーポレーションの破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、破産管財人に選任された当職に専属することになる。

 帝国データバンクによると、負債は、過払い金債務約1865億円を含む約1897億円。破産管財人は鈴木銀治郎弁護士。

 帝国データバンクによると、同社は、1975年(昭和50年)1月に三和ファイナンス(株)の商号で設立された準大手の消費者金融会社。2008年10月に現商号に変更。首都圏を中心に全国で約400店舗を擁し、キャラクターを使用した積極的な鉄道の車内広告やテレビ・ラジオのコマーシャルにより、一般消費者を対象に小口の融資を手がけ、2004年12月期には年収入高約459億8300万円を計上していた。

 しかし、改正貸金業法の成立に伴い、いわゆるグレー金利問題が持ち上がり、利用者数が減少。2007年4月には、金融庁が複数の店舗での違法な取り立てなど、全社的に法令順守意識が欠如していたとして、全店舗に対して43日から66日間の業務停止を命令していた。その後、大幅な人員削減や店舗の閉鎖、創業社長の交代などリストラを進めていた。

 さらに、2008年3月には、日本振興銀行から三和ファイナンスの顧客向けに債権譲渡を受けた旨を通知。動向が注目されるなか、同年5月には再度、金融庁からの行政処分が下され、今回は、利用者が過払い金の返還請求をしても非協力的であるとして、過払い金返還請求権を原債権とし、数次にわたり破産を申し立てられていた経緯があった。

 同年9月には、かざかファイナンス(株)(現ネオラインキャピタル)の傘下に入り、再建を図っていたものの、その後も過払い金債務の負担が大きく資金繰りが悪化、事業継続を断念し今回の事態に至った。

 なお、破産債権者に対する破産手続に関する連絡の発送は、現在準備作業中で、今年10月上旬を予定しているという。また、破産手続の進行等については、同社ウェブサイトにおいて逐次報告する予定。

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