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積水ハウス、3電池連動型ハイブリッド住宅を世界で初めて商品化
積水ハウスは8日に大阪市内で記者会見を開き、太陽電池、燃料電池、蓄電池の3電池を搭載した戸建住宅「グリーンファースト ハイブリッド」の発売を発表した。住宅業界の各企業はこれまで、スマートハウスやスマートグリッドの実現を目指し、太陽電池や蓄電池などを導入してさまざまな実証実験を行ってきたが、これら3電池を搭載した住宅商品の市販化は積水ハウスが世界で初めてとなる。
「グリーンファースト ハイブリッド」は、「快適性」、「経済性」、「環境配慮」にすぐれた同社の主力商品「グリーンファースト」の進化系で、燃料電池と太陽電池の創エネ技術と蓄電池の蓄エネ技術を組み合わせることによって、居住時に排出されるCO2や電力消費(光熱費)を抑え、さらに停電時などの非常時でも電力を確保できる。搭載される蓄電池の容量は大型の8.96kWhで、停電時でも、蓄電池のみで冷蔵庫とテレビ(1台)なら約23時間、冷蔵庫とテレビ(同)と照明(1室)で約17時間使用できるという。
3電池の稼動は、まずは、日中の電力消費はできる限り燃料電池で賄い、太陽電池によって発電された電気はなるべく売電するように設定されている。電力消費が多く太陽電池が発電しない夕方から夜にかけては、蓄電池から電力を供給することによって電力会社からの購入電力を減らし、加えて、安価な深夜電力を蓄電池に充電することで光熱費を削減する。これら3電池の活用によって削減される光熱費は、一般家庭で年間約26万円になると同社は試算している。
さらに、停電時などには自動的に3電池による電力供給システムに切り替わり、家庭内に電力を供給するということも同商品の大きな特長だ。スタンドアローンの蓄電池を家庭内に備えておいても、停電時には使用したい家電製品のコンセントを蓄電池につなぎ換えたりする必要があるが、「グリーンファースト ハイブリッド」の場合は居住者にそのような手間を強いることなく、あらかじめ決められたコンセントや照明への自動での切り替えが行われる。
「グリーンファースト ハイブリッド」が発売された背景には、3月11日に発生した東日本大震災以降の電力供給不足や計画停電などによって、創エネ技術や蓄エネ技術への関心が急速に高まっていることが挙げられる。特に、震災の発生以前は、今のように蓄電池が脚光を浴びることはなかった。理由は主にコスト面で、家庭に導入しても採算をとることができないことが足かせになっていた。しかし、震災の発生後には、たとえ採算が取れなくても、安心のくらしを求めて蓄電池を家庭に導入したいと考える消費者が増えているという。ユーザーのニーズの変化に敏感に反応し、商品開発を急いだ。
会見にて同社の阿部俊則代表取締役社長兼COOは、まずは発売後の3ヵ月で150棟を限定販売し、本格的な量産体制が整い次第、増産の検討に入ることを発表した。東日本大震災の発生以降、電力会社から送電される電力に頼らない生活スタイルが求められる中、「グリーンファースト ハイブリッド」が住宅市場の中でどういった反応を受けるのか、今後の動向に注目したい。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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