1－3月期の国内パソコン出荷、ビジネス市場は24.5%減：震災の影響で

　IDC Japanが13日発表した国内クライアントPC市場出荷実績によると、1－3月期のビジネス市場は前年同期比24.5%減の200万台だった。東日本大震災の影響や、出荷が2010年10月末に終了したWindows XPモデルの購入を企業が前期に前倒したことが影響し、需要が大きく落ち込んだ。

　家庭市場は、同4.6%減の184万台と、ビジネス市場よりも減少幅は小幅にとどまった。IDCによると、インテルのチップセットの不具合による出荷台数の減少が懸念されたが、ベンダーの生産調整が功を奏し、大きなマイナスには至らなかったという。全体では、前年同期比16.1%減の383万台だった。

　ベンダー別では、NECが富士通を抜き1位となった。ただ、ビジネス市場では震災の影響で企業の需要が落ち込み、家庭市場では昨年同期のスクールニューディールの特需の反動減で、前年同期比27.7%と大きく減少した。

　2位の富士通も、NECと同様に震災の影響で企業の需要が落ち込んだほか、デスクトップPCの生産拠点である福島県の工場が被災。また、スクールニューディール特需の反動減で、NECと同じく27.7%減の大幅減だった。

　3位の東芝は東芝は、上位5社中で唯一、2.6%増のプラス成長だった。ビジネス市場ではマイナス成長だったが、オールインタイプのデスクトップPCの出荷が寄与し、プラス成長になった。

　4位はデル。Windows XPの駆け込み需要で中堅中小企業の需要を取り込むことができなかったことが影響し、前年同期比11.6%減だった。

　IDC Japan PC、携帯端末＆クライアントソリューション・グループマネジャーの片山雅弘氏は声明で、「東日本大震災の影響で、1－3月期のビジネス市場は、震災前の予測から約38万台下振れするとみていた。だが今期の結果から分析すると25万台程度であったと推定できる。しかしこの上ブレした結果を楽観視することはできない。企業は2011年度の方針が固めるまで、PCの導入を凍結する可能性がある」とコメントしている。

　同社は4－6月期の見通しについて、家庭市場への東日本大震災が与える影響は限定的で、出荷台数は前年同期2.3%減にとどまると予想。ビジネス市場については、1－3月期に引き続いて震災の影響で需要が落ち込み、同7.1%減になると見ている。