昭和シェル、サウジアラビアの太陽光発電所運営でサウジ電力会社と覚書

2011年6月1日 14:02

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 昭和シェル石油は1日、サウジアラビアのファラサン島で7月に稼動予定の太陽光発電所の運営に関して、サウジ電力会社と覚書を交わしたと発表した。サウジ電力会社が操業とメンテナンスを担当し、CIS薄膜太陽電池の生産を手掛ける昭和シェル石油の100%子会社、ソーラーフロンティアが技術サポートを行う。

 両社が運営する太陽光発電所は500キロワット規模で、ソーラーフロンティアがパイロット・プラントの建設を進めてきた。プラントは、ファラサン島にあるサウジ電力会社の「ファラサン・ディーゼル発電所」内にあり、将来に消費される約28,000バレルの軽油に相当する発電量が見込まれることから、燃料の供給コストの削減や島内の環境保全にも貢献できるという。

 サウジ電力会社のアリ・アルバラック社長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、「ファラサン島のパイロット・プラントの出力は、年間864,000キロワット時を見込んでいる。ソーラーフロンティアとの協力体制により、サウジ電力会社のエネルギー資源ポートフォリオにおける太陽光の大きな可能性を確信した」とコメントしている。

 昭和シェルによると、ソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池は、結晶シリコン系と比較して、気温上昇時の変換効率が低下しにくいなど砂漠環境に適した特性を持つほか、砂の付着や埃の蓄積を防ぐよう傾斜を付けたフレーム構造、高い耐久性を備える。

 サウジアラビアでは、2009年に運転を開始したアブドラ国王科学技術大学(KAUST)の10キロワット規模の発電設備と、10 メガワット規模の「ノースパーク・プロジェクト」も手掛けた実績を持つ。

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