2月の企業倒産件数、19カ月連続減少:5年5カ月ぶりに1000件切る

2011年3月8日 20:03

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企業倒産件数と負債総額の推移を示すグラフ(出典:東京商工リサーチ 2011年(平成23年)2月度 全国企業倒産状況)

企業倒産件数と負債総額の推移を示すグラフ(出典:東京商工リサーチ 2011年(平成23年)2月度 全国企業倒産状況)[写真拡大]

  • 主要産業の倒産件数の推移を示すグラフ(出典:東京商工リサーチ 2011年(平成23年)2月度 全国企業倒産状況)

 東京商工リサーチが8日発表した2月の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は前年同月比9.4%減の987件で19カ月連続減少した。月次ベースで1,000件を下回ったのは、2005年9月以来5年5カ月ぶり。中小企業金融円滑化法や景気対応緊急保証制度などの政府の金融支援が引き続き効果を発揮しているという。

 負債総額は同6.5%減の4,101億8,800万円で、4カ月連続減少した。負債100億円以上の大型倒産は、食品原料、医薬・試薬品等製造の林原(負債1,322億7,100万円)と関連会社2件があり、この3件だけで2月負債総額の56.7%と約6割を占めた。全体では、負債1億円未満の構成比が66.9%、従業員5人未満が66.5%を占めるなど、小・零細規模の企業倒産の比率が高かった。

 産業別では、10産業のうち、金融・保険業(70.0%減)、情報通信業(35.0%減)、不動産業(31.2%減)、サービス業他(22.0%減)、製造業(14.2%減)など6産業で減少した。逆に増加したのは、運輸業(20.6%増)、農・林・漁・鉱業(12.5%増)、卸売業(9.0%増)、小売業(8.1%増)の4産業だった。

 地区別では、9地区のうち東北(35.5%減)、四国(20.0%減)、中国(15.0%減)、関東(12.4%減)、近畿(10.3%減)、九州(3.0%減)の6地区で減少。北陸(21.0%増)、北海道(17.1%増)の2地区で増加。中部が前年同月と同数だった。

 原因別では「不況型」倒産の構成比が83.2%で、13カ月連続80%を上回った。

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