関連記事
ヤジだけが目立った菅首相初の施政方針演説!「議席ドロボー!」などなど

通常国会が開会し、冒頭、菅総理が始めての施政方針演説を行った。内容は年頭の記者会見で既に述べた「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」の繰り返しで、サプライズも、新鮮味もない凡庸なものであった。議場内の「議席ドロボー!」(野党)、「ヨソ(他所)ノ大臣!」(与党)の野次だけが秀逸だった。[写真拡大]
【「霞ヶ関発・兜町着」直行便】
■6月の重要案件の成案、熟議まで命運が持つかどうか?
通常国会が開会し、冒頭、菅総理が始めての施政方針演説を行った。内容は年頭の記者会見で既に述べた「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」の繰り返しで、サプライズも、新鮮味もない凡庸なものであった。議場内の「議席ドロボー!」(野党)、「ヨソ(他所)ノ大臣!」(与党)の野次だけが秀逸だった。
首相はあらん限りの声を張り上げて、8ヶ月余の「実績」として、ベトナムへの原子力施設売り込み、オープンスカイ協定合意などを並べ立てたが、これとて殊更自慢するほどの「成果」ではない。これまでの政権や省庁の働きかけの延長上で為ったものである。就任わずか数ヶ月、それも自分の力で為しえたと喧伝するところに、この首相の浅薄さが透けて見える。
また首相はこの施政方針演説の前に、2つの「誤り」を犯した。一つは連立相手に対してである。20日、福山官房副長官は施政方針演説の内容説明に国民新党本部を訪れたが、下地幹事長に「レベルが違う」と追い返されてしまった。本来なら官房長官が挨拶に来るべきところを「副」であしらわれたからだ。奥の部屋から出てきた亀井代表は烈火のごとく怒り、「なぜ官房長官が来ないんだ。連立を離脱しても恨むなよ」と痛烈な嫌味を放った。その後、枝野幸男官房長官が改めて亀井氏に説明に向かったが、それでも収まらない亀井氏は「連立与党への配慮ができない。政治的にどういう動きをすればいいのか分かっていない」と菅首相とその側近の対応を嘆いたという。
もう一つは、野党への対応。首相は予算案の年度内成立と社会保障と税制改革を図るべく、野党各党に、昨年末からしきりに「熟議」の国会運営を呼び掛けて来た。事実、演説でも「国会質疑や党首討論を通じ、国民の期待に応えようではありませんか」と結んでいる。だが、首相は協力を呼び掛ける一方で、反応が返ってこないと、「野党が超党派の議論に参加しないなら、歴史に対する反逆行為だ」と八つ当たりし、一層の反感を買った。さらに、この演説の2,3時間前の民主党議員総会では、「野党は議論から逃げようとしている。対案を出させるなどして、審議に応じさせなければならない」と檄を飛ばした。これでは握手を求める一方、足で相手を蹴っているのと同じである。
「有言実行」がこの内閣の「売り」だそうであるが、演説を聴いた限りでは、「言いっ放し、先延ばし」内閣の趣である。首相がご執心の「環太平洋パートナーシップ」(TPP)についても、「米国を始めとする関係諸国と協議を続け、今年6月を目途に、交渉参加について結論を出します」と、何か緩慢である。参加するハラなら先に結論を示して進むべきであろう。社会保障と税制改革についてもそうである。「内閣は、今年6月までに社会保障改革の全体像とともに、必要な財源を確保するための消費税を含む税制抜本改革の基本方針を示します」と。
またもや「6月」である。政府は野党に「熟議」を求める。野党はそれなら「政府案」を出せと迫る。政府は「6月まで待ってくれ」という。まさか、菅首相は3月末の予算成立、4月半ばの統一地方選を乗り越え、6月の「ビッグ政策」まで「生き永らえよう」としているのではあるまいか。そうだとすればそれは単なる「延命内閣」である。昨年の今頃、前鳩山首相がしきりに叫んでいた、「普天間問題は5月いっぱいに解決します」という言葉が思い出される。結局、鳩山さんは打開できず退陣したわけだが、菅さんも今のままで行くと、6月の重要案件の成案、熟議まで、果たして命運が持つかどうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・ケイ線・チャートは相場の杖である=犬丸正寛の相場格言(2010/12/24)
・悪い時には悪いことが重なる=犬丸正寛の相場格言(2010/12/20)
・割安に買いなし=犬丸正寛の相場格言(2010/11/11)
・大回り3年、小回り3月=犬丸正寛の相場格言(2010/11/10)
・小口投資家が大口投資家に勝つのは小回り=犬丸正寛の相場格言(2010/11/08)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
