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菅首相は予算案を大声で自画自賛するも内実は「財務省の掌の上」
菅首相は24日夜、首相官邸で内閣記者会とのグループ・インタビューに応じ、同日閣議決定された平成23年度予算案について記者の質問にこう答えた。[写真拡大]
【「霞ヶ関発・兜町着」直行便】
菅首相は24日夜、首相官邸で内閣記者会とのグループ・インタビューに応じ、同日閣議決定された平成23年度予算案について記者の質問にこう答えた。年内に政府案をまとめると「宣言」しながら、自身はもっぱら「小沢問題」や「政権浮揚策」にうつつを抜かしてきたと揶揄されてきただけに、その発言に関心が集まった。
民主党が政権交代したのが、昨年度の途中であったため、今年度は予算編成に1年間時間をかけることはできなかったが、来年度の予算は民主党政権になって初めて一からつくった予算ということになる。雇用や成長に重点を置いて、20年間成長が止まり続け、日本社会全体が閉塞感に覆われている状態を来年こそは突破していくための予算を組んだ。私自身の思いとして、言ったことはやるという「有言実行」をこの予算の中に注ぎ込むという考えで編成にあたった。重要な課題についてはさまざまな議論があったが、最終的には私の責任で決めさせて頂いた。法人税、年金、子育て支援、ひもつき補助金の廃止・一括交付金化など、私のリーダシップのもとで下した。なかでも科学技術については、振興費が昨年度比3割プラス計上となるよう、トップダウンで指示を出した。
その上で菅首相は予算案(「元気な日本復活予算」)のポイントとして次の5つを挙げた。
(1)従来型の予算配分を大胆に組み替えた「メリハリのついた予算。社会保障費を5.3%、科学研究費は3割アップとした。「成長と雇用」に力を入れ、電気自動車導入促進特別枠として従来予算を倍増、求職者支援制度の新設などの予算を編成した。あわせて、公共事業費の実質5%引き下げ、税制措置として法人実効税率の5%引き下げや雇用促進措置を行うこととした。
(2)事業仕分けを行った結果、歳出の削減で0.3兆円、独立行政法人等の国庫納付で1.4兆円の削減が実現した。
(3)「地域主権」を掲げ、これまでのひもつき補助金を一括交付金化し、5120億円を捻出できた。
(4)新卒者雇用、待機児童ゼロ、HTLV-1対策、硫黄島遺骨帰還の特命チームを設立。実行過程に入り、ジョブサポーターの拡大(新卒者支援)など確実に効果があがっている。
(5)財政規律については、まだまだ不十分だが、歳出の大枠を約71兆円、国債発行額を44兆円とし、財政再建のため昨年以下に支出を抑えることをしっかり堅持した。
これらはすべて、首相がわざわざ成果を誇るものではなくて、当然なすべき政策課題だ。すべての項目には触れないが、唯一つ、「科学技術振興費」について述べると、その「自賛」ぶりの化けの皮が剥がれる。当初、減額であったものを、「多少、わがままを言わせてもらいたい」と、増額を指示したという。だが実際は「財務省に"何とかしろ"と言った。財務省というところは、何とかしろと言えば何とかするものだ。自民党政権でもそのようにしてきて借金が増えてしまったのだが・・・」と自ら漏らしたように、財務省への丸投げで実現したものだった。財務省は予備費の中から400億円を回すことで首相の指示ならぬ"要請"に応えた。これでは「財務省の手の平政権」と言われても止むを得ない。民主党政権は来年の通常国会に向けて多難である。党内は小沢問題で分裂含みであるし、野党の激しい攻勢で予算案、関連法案の審議、可決もままならない。そして4月の統一地方選で"大惨敗"を喫すれば、そのまま"政権崩壊"模様である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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