「尖閣諸島問題に見る日中ビジネスのリスクと日系企業が取るべきリスク対策」、徐向東氏・講演(2)

2010年10月8日 05:12

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●「中国は北京や上海だけじゃない」、内陸部に眠る消費パワー

 一昔前、中国人たちはこぞって松下電機やソニーなどメイド・イン・ジャパンの家電製品を借金をしてでも購入していた。しかし、インターネットの時代に入ってから日本企業の成長が急に衰えてきたという。PCでは日本にもパナソニックや東芝といった有数のメーカーが存在するが、ネット人口4億人の中国では苦戦を強いられている。中国で一番売れているのは自国メーカーのレノボ、二番目が韓国のサムスン。また携帯電話市場についても、日本メーカーは中国で惨敗し、2006年に全社撤退している。しかし中国の携帯電話人口は8億人規模。これらの巨大市場で日本企業がシェアを取れないのは非常に痛いところだ。

 中国経済を考える上でまず注目したいのは人口推移。これまで農村地域だった2級~4級都市が政府介入で開発され、国内の都市化率は毎年1%ずつ増えている。現在中国人口の割合を見てみると、農村人口51%、都市人口49%とほぼ半々。今後都市化はさらに進んでいくとみられる。つまり、中国の消費パワーは北京・上海・広州といった1級都市だけに留まらず、むしろ内陸部の発展途上の都市こそが中国経済を支えているといっても過言ではないだろう。

 一方で日本企業が持っている調査データの多くは上海や中心部のもの。中心部を離れた都市のデータを持っている企業は少ない。しかし同社の調査データによると、09年中国全土平均GDP成長率は9.1%。二桁成長を実現したのは25省で、そのうち20省が内陸部に存在するという。さらに新車購入後に行う警察への登録比率に注目。09年1~5月の新車登録伸び率をみると、40%以上の高成長率を示したのは、甘粛省64.5%、寧夏省56.1%、四川省41.3%と、内陸都市の成長が最も顕著なのである。

 「ほとんどの人たちが昔は農民だった。彼らが都市の人になり、大衆消費に関わってきている」と同氏。3級4級都市では高額消費財を初めて購入する顧客がまだ大多数を占め、消費意欲は1級2級に劣らないという。未知の土地には色づいて刈り入れんばかりの畑が広がっているのだ。

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